長年、大阪市北部において児童・障がい児(者)・高齢者までの広い対象者に対して、様々な開拓的、先駆的福祉活動を展開してこられた社会福祉法人の新しい本部事務所です。
利用者主体の観点から展開された活動は、地域住民との関わりが密接なことから、この新本部がどのように地域に貢献できるかをテーマとしました。
敷地は、水仙福祉会が昭和31年に最初の活動拠点にした「風の子保育園」の跡地です。風の子保育園は耐震上の問題で、別の敷地に新設し、旧保育園を解体して建設することとなりました。建物は1階を学童保育、知的障害児童の為のデイサービス、2階を本部事務所、3階を施設職員の大会議室という構成です。
本部事務所という性格上、地域に対して閉鎖的になる傾向がある中、あえて各階をつなぐ階段を屋外に設置し、施設利用者や職員の動きを見せる計画とし、地域に施設のアクティビティを表す計画としました。この階段は子供達の遊び場ともなっています。
施設はヒューマンスケールの家庭的な表情を出すため、構造は木造で、燃えしろ設計を採用し、3階建て準耐火建築物としています。3階大会議室の木造張弦梁の大空間を支える1820mmのグリッドで構成された2階の事務室と1階の児童施設の内部は、まるで小さな森のようで、子供の身体や活動スケールと合い、身近に木を感じ得る空間となっています。
木造の架構を外部に表し、その上に植栽を施したこの施設が、自然素材が放つ優しさにより、地域の人々の憩いの場となることを願っています。