既存建屋や照明器具、屋根の石や植栽を新しい住まいに活かしたいとの要望から、住まい手とモノのそれぞれに居場所を与えることをテーマにしました。個室同士をアルコーブ状の小さなスペースで繋げ、新旧の家具の居場所とし、それぞれの繋がりがプライバシーの粗密を生み出します。
新しく購入された敷地は、閑静な住宅街の角地で、手入れの行き届いた植栽と共に古い家が残っていました。この既存建物の家具や照明器具、庭の石や植栽を捨てるのではなく、新しい住まいに活かしたいとのクライアントのご要望から、住まい手とモノのそれぞれに居場所を与えることと、クライアントである母娘の暮らしの中での距離感の強弱をテーマとしました。
リビングダイニングを家の中央に、その周りに4.5畳単位の個室を方位や周囲からの視線を考慮して配置し 、大きな1枚の屋根をかけました。個室同士はアルコーブ状の小さなスペースで繋げ、新旧の家具の居場所としました。新旧の調度と家族の居場所、アルコーブ、個室、それぞれの居場所の繫がり様が、家族のプライバシーの粗密を生み出します。
スケール、距離、モノのしつらえに拘った心地よい住まいが出来ました。古い生垣や再配置された大きな庭石と新築された建屋の対比は記憶と未来を繋ぎ 、懐かしさと新しさが入り混じる心地よい住まいとなりました。