一日のうちで、光は何度も姿を変える。
朝のやわらかな白、昼の澄んだ明るさ、夕刻のあたたかな橙。
その移ろいが、住まいの中をゆっくりと巡っていく。
限られた時間の中で、生涯暮らせる家を思い描くこと。
それは簡単ではなく、ときに途方もない問いのように感じられる。
けれど、その「難しさ」を一つひとつ言葉にし、形にしていくことで、
暮らしは確かな輪郭を帯びていく。
ご夫婦が求めたのは、強い主張ではなく、長く寄り添う佇まい。
唯一無二でありながら奇抜ではないこと。
素材の質感が素直に伝わり、職人の手の痕跡が静かに残ること。
その積み重ねが、
温かみのある素朴さと、凛とした品の良さを併せ持つ空間を生んだ。
大きく開かれた窓からは、光が奥まで届き、
時間とともに床や壁の表情をやさしく塗り替えていく。
何も特別なことがなくても、
ただそこにいるだけで、日が揺蕩う気配を感じられる。
家の中心に広がる空間は、家族の気配をゆるやかにつなぎ、
それぞれが思い思いの時間を過ごしながら、
同じ光の中にいることを実感させてくれる。
完成したのは、見せるための家ではなく、
日常そのものが美しくなる住まい。
工事の途中、子どもたちから届いた小さな励ましの言葉は、
現場にあたたかな力を与え、
この家が家族の未来のためにつくられていることを
あらためて思い出させてくれた。
これからここで重ねられていく時間もまた、
光とともに、静かに揺蕩いながら深まっていく。
日が差し、影が伸び、また次の朝が来る。
その繰り返しの中で、暮らしは少しずつ、この場所になじんでいく。
―― ヒノタユタウ。
光の移ろいとともに、家族の時間がやさしく満ちていく住まい。
構造規模:木造2階建て
延床面積:120.90㎡