玄関の正面にアオダモのメインツリーを植え、コンクリート打放しのポスト・表札パネルをつけた門柱をアイストップに一度雁行させることで、奥行きのあるアプローチを作りました。玄関扉は意匠と断熱気密性能を兼ね備えた北欧のもので、袖壁もその色と合わせた南洋材を用いることで、ガルバリウムとコンクリート平板のシンプルで工業的な外観の中心点となっています。
道路側外観夕景。駐車場の上を広いテラスとすることで、道路側からは宅内の天井しか見えないような関係を作り、また外構照明をテラス高さを変えながら雁行させて配置し、唯一外観で木を使っている玄関を柔らかく照らすことで、奥行を感じさせるファサードデザインとなっています。
屋根の傾斜をそのまま天井にも反映させた開放的なリビング。南側隣家が切迫した環境ですが、隣家屋根の上にハイサイドライトを設置し、そこから光を取り入れています。高窓だけではなく、写真背面に当たるテラスにつながる窓、キッチン小窓、硝子張りの階段室のスリット窓、廊下奥のランドリーからの光など、様々な方向から採光を取ることで、時間や季節に関わらず光や風が抜けるリビングを目指しました。
二階リビングはともすると外や一階と切り離された空間となりますが、低く設定された駐車場上のルーフテラス、スケルトン階段が見える硝子張りの階段室、プライバシーを気にすることがない空が見える高窓など、二階に居ても一階や町の気配が緩やかに伝わる構成です。
目黒の家|ダイニング
リビング夕景。高天井側は小棚からの間接照明で天井を照らし、低天井側は彫り込まれた照明ボックスから壁を照らすライン照明を階段室まで連続で通しました。光にグラデーションをつけることでメリハリのあるライティングとなっています。
目黒の家|ダイニング
玄関からつながる廊下と階段。上足の空間にも同じタイルを用いることで玄関からの連続感を持たせています。階段はヒノキ無垢板の跳ね出し階段。手すりも同材同寸の板で作り、土間のような一階と明るい二階をつなぐ象徴的な空間としています。
目黒の家|玄関
目黒の家|階段
シフト制のお仕事で、コロナ以前から在宅勤務も多かったご主人のための書斎。面積的には2.5畳と居室としては最小限の部屋ですが、棚・デスクを一体に製作し、持ち物や本など正確にヒアリングして、あるものをあるべき場所に納めることで、欲しいものが手に届く、秘密基地のような書斎ができました。
一階主寝室。最も滞在時間が短いこの部屋はシンプルに、清潔に、機能的に作られています。照明は両脇のスタンドだけではなく、ベッドヘッドの壁に間接照明が仕込まれていて、寝ながら入切・調光できるスイッチが手元についています。
寝室と連続したウォークインクローゼットは、一部をチャンネルサポートのシステムで高さを変えられるようになっていて、服の変遷に対応しやすくしています。右側のカーテンの奥の押入は廊下側からも出入できるようになっていて家族共用の荷物も入れやすくなっています。
キッチン背面に位置し、リビングと同じ高さを持つ子供部屋。子供が孤立しない配置です。東側はアパートの共用廊下が切迫しているので、そちらは通風のための磨りガラスの上げ下げ窓にとどめ、隣家の屋根の上から採光する高窓を設置しました。天井高を生かした球のペンダント照明はお嬢さんのお気に入り。
キッチンの背面脇にあるランドリー。奥には奥様用のデスクカウンターもあり、梅雨や花粉など外に干せない季節には乾燥室としても使用可能だし、なによりちょっと置いておいても気にならないバックヤードがあるだけで、格段に家事が楽になります。
西川 公朗
目黒の家|津野建築設計室
桜並木の近くに建つ住宅です。敷地は東西に長く間口に対して奥行が3倍近くあり、採光が取りにくい形の土地でした。そこで昼間に使う時間が長いリビングと子供部屋を二階に配置し、近接する隣家の屋根の上から光を取り込める高窓を計画しました。
また道路際まで張り出した駐車場の上部を広いテラスとして、高さを抑えることで、リビングからの視界は広く、道路からの視線は遮る関係を作りました。春にはテラスを通してリビングのソファから桜を眺めることができます。
一階二階とも、敷地の奥行の深さを生かして東西を突き通す通路を設け、光や風が家中を軽やかに抜けていく空間を目指しました。
建築概要
用 途:一戸建の住宅
工事種別:新築
構 造:木造二階建
延床面積:118.83sqm(住宅部100.00sqm)
レビュー
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