計画地はいわゆる高級住宅街として知られる白金の一角にあり、閑静ながら狭い街路が入り組み、住宅が密集して建ち並ぶエリアに位置する。周辺には商店街、学校、病院、研究所やお寺などの施設が点在し、かつて大名屋敷があった名残から都内としては緑が多く残された環境にある。敷地面積は26坪と決して広くはないものの、北側傾斜の台地にあることから高低差により、3階や2階の一部は視界が開けており、東京タワーや六本木ヒルズ、周囲の緑を望むことができる。クライアントからはこの眺望を活かしたすまいを要望された。
北側に面する隣地が一段低いため、3階からは隣地アパートの屋根越しに眺望が開けており、ここに北側斜線制限をよけるかたちでセットバックした部分に眺望デッキを設けた。3階はしきりのないワンルームとし、当面はセカンドリビングやプレイルームとして利用し、将来的には間仕切りを加えて子ども室となる。
中間層である2階にLDKを配置し、建物の間から眺望が得られる場所を狙ってL 型の出窓を設け、ダイニングキッチンとワークデスク、たたみコーナーを置いた。3階セットバック部分の屋根面にトップライトを設け、北側とはいえ安定した明るさと開放感が得られる。旗竿状の敷地形状であり、南側の敷地延長部分に面する開口部から陽当たりを期待した。この位置に吹抜けを設け、リビング、そしてスケルトン階段を通じて1階にまで光を落とすとともに、2階LDKと3階のセカンドリビングと空間的な繋がりをもたらす。
1階はほとんど眺望が期待できないため、バイク置場を兼ねた玄関と書斎兼客間、夫婦の寝室と水廻を設けた。書斎からはわずかに六本木ヒルズが見える。設備的には燃料電池による自家発電設備(エネファーム)と床暖房を備え、特注キッチンの夢も実現することができた。
構造:木造3階建て 準耐火構造
延床面積:101.14m²(30.59坪)
敷地面積:86.74m²(26.24坪)