京都府京都市の建築家・設計事務所、archialphaが手掛けた注文住宅の建築実例、水平窓と段床の家を紹介
水平連続窓のある2階がリビング。1階のくぼみがエントランスポーチ。
2階水平連続窓には日除けの屋外スクリーンがとりつく。
2階キッチンに立った視点から、田んぼと山裾の、少し生活感のある景色が見える。
ダイニングに座った視点高さから、山全体と田んぼの長閑な景色。
キャットウォークから見下ろすリビング。水平線からは近くの畠が見える。
水平窓からは近隣の駐車場など生活感の強い景色が見える。
5つの異なる高さの床と水平連続窓を組み合わせたリビングスペース。
リビングソファに座った視点からの眺め。山と空だけの抽象的な景色が広がる。
リビングソファに座った視点からの眺め。山と空だけの抽象的な景色が広がる。
勾配天井上部はキャットウォークと書棚になっている。
LDKの両端から床レベルが下がり谷形状に囲われたソファスペース。
上階の床の段差を反映し天井は、開閉式の布天井で間接照明や天井収納になっている。
タイルの施工は施主のお父様によるもの。奥に見えるのは子供室。
靴箱の下からの自然光で各素材の色彩が際立つ。
書棚左側がハシゴになっていて上階のロフトベッドスペースに登れる。
子供室のロフトベッドスペース。低い開口の向こうはリビングのソファスペース。
外観夕景。
外観夜景。外付けスクリーンを閉じた状態。
松村 芳治(1~15,17,18)
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<山の景色と生活>
学生時代、哲学科で美学を学んでいた美術サークルの友人とその家族の家。いくつかの候補地から、住宅地と市街化調整区域との堺に位置する視界の開けた敷地が選ばれた。葛城山の景色と家での生活はどのように関係するべきか? 山の崇高性に意識が奪われて日常生活がおろそかになってはまずいが、山の景色は魅力的だ。
そこで水平窓に対して異なる高さの床をいくつか定め、場所ごとの景色の切り取られ方に違いを与えることにした。 個々の景色と家具や人、座ったり寝転んだり立ったりする人の状態が関連して場所ごとの質が生まれる。外を感じる人の気分が中の生活とワンセットで変化する。 例えばキッチンでの作業時は、山裾と町並みと田んぼなどの、地域の生活感のある景色が見え、 ダイニングで座ってゆっくり食事をする時は、山全体と田んぼの長閑な景色が見える。 キャットウォークに本を取りに上ると、近くの畑作業の様子や駐車場が見え、 ソファに座って静かに考え事をする時は、山と空だけの抽象的な景色が広がる。外の景色を見ることと内側の生活行為から立ち現れる、類似意識の重ね合わせによって顕在化した場所ごとの質を多種多様にちりばめた空間。
ソファスペースでは、立つと生活感のある景色が見え、座ると山と空だけの抽象的な景色に変わるのだが、立つ→座る動作による景色の急速な切り変わりによって、 山が動いているような、あるいは異世界にワープするような不思議な感覚が伴う。これは コルビュジェが設計した ガルシュの家 の、外から見た水平窓について、コーリン・ロウが 虚の透明性として指摘した、 異なって見える視覚マジックのような空間 理論の、 内外の視点場を反転した(かつ「自由な平面」としての間仕切壁を床面に置き換えた)かたちになっているようだ。
山の景色をどう見るかを考えた時、ぼんやりと念頭にあったのは 円通寺の借景だったが、円通寺が「遠近の錯覚」によって、対象から認識を解放し、 物 自体としての山を感じさせるような、 瞑想的とも言えるような効果を場にもたらしているのだとしたら、この家では「動きの錯覚」によって、近似の効果がソファスペースに生じたのかもしれない。 用途:住宅
家族構成:夫婦+女の子1人
構造:木造2階建て
敷地面積:148.0㎡(44.5坪)
建築面積:45.5 ㎡(13.7坪)
延床面積:98.3㎡(29.7坪)
構造設計:拙計画工房 /能戸
施工:株式会社原田工務店 /原田・吉岡
タイル工事:山口利夫
学生時代、哲学科で美学を学んでいた美術サークルの友人とその家族の家。いくつかの候補地から、住宅地と市街化調整区域との堺に位置する視界の開けた敷地が選ばれた。葛城山の景色と家での生活はどのように関係するべきか? 山の崇高性に意識が奪われて日常生活がおろそかになってはまずいが、山の景色は魅力的だ。
そこで水平窓に対して異なる高さの床をいくつか定め、場所ごとの景色の切り取られ方に違いを与えることにした。 個々の景色と家具や人、座ったり寝転んだり立ったりする人の状態が関連して場所ごとの質が生まれる。外を感じる人の気分が中の生活とワンセットで変化する。 例えばキッチンでの作業時は、山裾と町並みと田んぼなどの、地域の生活感のある景色が見え、 ダイニングで座ってゆっくり食事をする時は、山全体と田んぼの長閑な景色が見える。 キャットウォークに本を取りに上ると、近くの畑作業の様子や駐車場が見え、 ソファに座って静かに考え事をする時は、山と空だけの抽象的な景色が広がる。外の景色を見ることと内側の生活行為から立ち現れる、類似意識の重ね合わせによって顕在化した場所ごとの質を多種多様にちりばめた空間。
ソファスペースでは、立つと生活感のある景色が見え、座ると山と空だけの抽象的な景色に変わるのだが、立つ→座る動作による景色の急速な切り変わりによって、 山が動いているような、あるいは異世界にワープするような不思議な感覚が伴う。これは コルビュジェが設計した ガルシュの家 の、外から見た水平窓について、コーリン・ロウが 虚の透明性として指摘した、 異なって見える視覚マジックのような空間 理論の、 内外の視点場を反転した(かつ「自由な平面」としての間仕切壁を床面に置き換えた)かたちになっているようだ。
山の景色をどう見るかを考えた時、ぼんやりと念頭にあったのは 円通寺の借景だったが、円通寺が「遠近の錯覚」によって、対象から認識を解放し、 物 自体としての山を感じさせるような、 瞑想的とも言えるような効果を場にもたらしているのだとしたら、この家では「動きの錯覚」によって、近似の効果がソファスペースに生じたのかもしれない。 用途:住宅
家族構成:夫婦+女の子1人
構造:木造2階建て
敷地面積:148.0㎡(44.5坪)
建築面積:45.5 ㎡(13.7坪)
延床面積:98.3㎡(29.7坪)
構造設計:拙計画工房 /能戸
施工:株式会社原田工務店 /原田・吉岡
タイル工事:山口利夫