バイクと暮らす家|設計事務所による注文住宅実例7選 著者:クラスキ編集部
バイクと暮らす家では、バイクを保管する場所が単なる収納ではなく、住まいの空間とどのようにつながるかによって建築の表情が変わります。玄関やガレージから室内までの動線、バイクを眺められる開口部、趣味の道具を収めるスペースなど、バイクを身近に感じるための空間にはさまざまな構成があります。ガレージと住居を一体的に考えることで、バイクの存在そのものがインテリアの一部となる場合もあります。素材や照明との組み合わせによって、機械としての美しさを引き立てながら、日常の暮らしにも馴染む空間が生まれます。バイクと暮らすというテーマが実際の住宅でどのように建築として表現されているのか、設計事務所による注文住宅の実例を紹介します。
土間の家|自転車も収納、土間空間 株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所
狭小かつ奥行きのある敷地条件に向き合い、光と開放感を丁寧に導いた住まいです。周囲を住宅に囲まれた環境の中で、バルコニーを設けず屋上を活用することで、限られた敷地を有効に計画。屋上へと続く階段は光の通り道となり、明るさをリビングへと届けます。広々とした玄関土間には自転車やベビーカー、ゴルフバッグなどを収納でき、都市住宅に求められる機能性も確保。コンパクトな敷地の制約を、豊かな暮らしへと転換した住まいです。
八潮のガレージハウス ことこと設計室
三方向を隣家に囲まれた住宅地に建つ、5人家族のための住まいです。プライバシーの確保と開放感の両立をテーマに、1階にはバイクガレージを備えたコンクリート打放しの趣味空間を、2階には木の温もりに包まれた大らかなLDKを配置しました。中央の螺旋階段が空間を立体的につなぎ、トップライトから降り注ぐ光が住まい全体に広がりをもたらします。道路側に開口を設けない構成でありながら、素材や光の扱いを丁寧に積み重ねることで、明るく伸びやかな住環境を実現しています。
KATANA 充総合計画一級建築士事務所
25坪の敷地に約35坪の生活空間を実現した、都市型コートハウスです。中庭やグレーチングバルコニー、屋上を巧みに組み込み、限られた敷地の中に豊かな広がりを生み出しています。認定防火サッシを採用した木造3階建てとして、周囲の住宅に囲まれた環境でも、光や風、プライバシーを確保する開口計画を追求しました。2台分のビルトインガレージやオートバイ置場、多彩なレベル差や天井構成が住まいに奥行きを与えます。さらに高い耐震性能と制震構造を備え、都市で安心して暮らせる住まいに仕上げています。
バイクガレージのある家 芦田成人建築設計事務所
複数台のバイクと暮らすための、趣味と生活が心地よく共存する平屋の住まいです。バイクのメンテナンススペースと生活空間をつなぐアプローチは、南北に抜けるトンネル状の構成とし、風や街路樹の気配を感じられる場所に。深い軒に守られた外縁空間には、作業場と暮らしの場がゆるやかにつながっています。内部は建具によって自在に変化する柔軟な間取りとし、日本家屋のような可変性を備えた、趣味を楽しむための住まいです。
鉄骨造の狭小スキップフロアガレージハウス|『』の家 株式会社 山本嘉寛建築設計事務所
下町の狭小地に建つ住宅です。上下移動を制約ではなく体験として捉え、半階ずつずらした床を積層するスキップフロア構成により、多様な空間の連なりを生み出しました。極薄の外壁と鉄骨架構により敷地を最大限活用し、法規条件を調整することで開放的な最上階テラスも実現。コンパクトながら光と風に満ちた、軽やかな住空間を成立させています。
門戸厄神のガレージハウス 株式会社 イン・エクスデザイン
間口4.6m、道路から約80cmの高低差をもつ狭小敷地に建つガレージハウスです。厳しい高さ制限のなか、1階にガレージとアプローチを確保しながら、エントランスや水まわりを中間レベルに配置。そこで生まれた高低差をスキップフロアとして活かし、立体的につながる豊かな住空間を実現しています。木質耐震フレームによってガレージの開放性と耐震性を両立し、限られた条件を巧みに読み解いた設計が、唯一無二の奥行きと広がりをもたらしています。
狛江の家Y邸 株式会社 中村高淑建築設計事務所
ハーレーダビッドソンを愛でるバイクガレージを、玄関と一体化して設けた住まいです。スペースを共有することで、コストと法規制による面積の制約を抑え、コンパクトにまとめています。壁と外壁の一部には大谷石を採用し、門扉を兼ねる大型可動フェンスが外部との緩やかな境界をつくります。吹き抜けのあるLDKには竹薮越しの光が届き、あらわしの構造材が素朴で温かな雰囲気を添えています。