収納アイデアの家|設計事務所による注文住宅実例13選 著者:クラスキ編集部
収納アイデアの家では、物を収める場所が暮らしの背景となり、室内の印象を整える建築の要素として表れます。壁面収納や造作家具、階段下などの空間を生かした収納は、日用品を収めながら室内の景色をつくることがあります。扉の有無や素材、棚の高さによって、見せる収納と隠す収納の印象も変わります。リビングやキッチン、玄関など、使う場所と収納の距離が近いことで、生活の動きが自然に空間へ組み込まれる場合もあります。収納アイデアの家というテーマが実際の住宅でどのように建築として表現されているのか、設計事務所による注文住宅の実例を紹介します。
2つの階段で立体的に回遊する家|alhena ポーラスターデザイン一級建築士事務所
周囲に住宅が建ち並ぶ敷地で、窓を開け放ち、外の景色を楽しめる住まいを計画しました。将来の親世代との同居や車椅子での移動も見据え、家全体に回遊動線を構成。水まわりを家事動線に組み込み、二つの階段によって上下階も立体的につないでいます。南庭は眺めや遊びの場、北庭は洗濯のための空間として使い分け、吹き抜けによる通風にも配慮しました。ルーバーが内外をゆるやかにつなぎ、周囲の視線を抑えながら開放感を生み出しています。
風が吹き抜けるマンションリノベーション|吹き流しの家 株式会社 山本嘉寛建築設計事務所
大阪市中心部にある南北両面に大きな開口をもつ高層マンションのリノベーションです。大きなLDKから将来子供室となる書斎、プレイルーム、川の字で眠る寝室を直列に並べ南北の通風経路を確保しました。十分な収納と耐久性の高いクロス・複合フローリング、断熱・防音対策を施しています。
ドマーノハウス 祐成大秀建築設計事務所
養老山脈の麓、緩やかな傾斜地に建つ、キャンプを愛する家族のための住まいです。地形を活かしたスキップフロアにより、キッチン・ダイニングからリビング、土間リビングへと空間が緩やかにつながります。最も低い位置に設けた土間リビングは、玄関土間やデッキと連続し、屋内にいながらキャンプのような開放感を楽しめる場所に。中間階には子どもの勉強や遊びの場を設けた、家族の気配を感じながら程よい距離を保てる住まいです。
倉敷の住宅 株式会社 イン・エクスデザイン
倉敷の美観地区へと続く幹線道路沿いに建つ、街並みとの関係性とプライバシーを丁寧に両立した住まいです。大半を占める平屋部分は、屋根を水平スリットで浮かせることで軽やかな表情を生み出しながら、外部には閉じた落ち着きある佇まいを形成。アプローチは中庭に沿って玄関へと導かれ、その周囲を包み込むように生活空間が配置されています。ほぼ平屋で完結する暮らしと、外部の視線を遮る中庭が、歴史ある街並みの中に静かで豊かな居場所をつくり出しています。
あきる野の家 望月建築アトリエ
ご夫婦のための、比較的コンパクトな平屋の住まいです。郊外の市街地に近い敷地条件を踏まえ、隣地の駐車場などに配慮しながら、三角屋根をアクセントに計画しました。LDKは屋根なりの高い天井で開放感を生み、造付けソファのある落ち着いたコーナーや、ベンチとして使える出窓など、家の中に多様な居場所を設けています。ダイニングからデッキ、庭へと視線がつながり、キッチンからパントリー、洗面室へ続く家事動線も確保しました。小さな和室と寝室をつなぐ回遊性のある、優しく暖かな住まいです。
I-house 石橋優介建築設計事務所/IAA
周囲を建物に囲まれた敷地条件を生かし、住まいの中心に中庭を設けました。各室に光と風を届けながら、洗面脱衣室から中庭へ直接つながる動線で、洗濯をはじめとする家事もスムーズに。さらに、将来2室に分けられる子ども部屋や、玄関の土間収納、キッチンに隣接したパントリーなど、暮らしの変化に対応する収納を計画しています。30年先まで見据え、日々の使いやすさを丁寧に整えた住まいです。
カフェのある家 設計事務所アーキプレイス
お菓子づくりが趣味のご主人、片付け上手な奥様、二人のお嬢さんが暮らす、遊び心と機能性を備えた住まいです。1階はカフェのような土間と和室を中心に、寝室や水廻りをまとめ、将来はワンフロアで生活できる計画に。天井の高い2階にはLDKとデッキテラスを設け、3階のスキップフロアには書斎や子どもの居場所、花火を楽しむバルコニーを配置。家族それぞれの居場所が立体的につながります。
八ヶ岳のセカンドハウス 根岸達己建築室
標高1600mの八ヶ岳に建つ、自然と創作のための山荘です。冬には氷点下20℃にもなる厳しい環境に応えるため、深い軒を持つ寄棟屋根を採用し、雄大な自然に穏やかに溶け込む佇まいとしました。泥や雪、水を伴う山暮らしに対応するため、収納を中心に回遊できる動線を計画。建具の開閉によって風除室や来客用動線へと柔軟に切り替えられます。機能性と快適性を丁寧に磨き上げた空間は、四季折々の自然を楽しみながら創作に向き合うための静かな拠点となっています。
家族の顔が見えやすい住まい 建築設計工房BO5
ご夫婦とお子さん2人が暮らす住まいで、「いつでも顔が見える関係性」を大切にした計画です。敷地条件から2階リビングとし、その脇にスタディルームを配置することで、学習や趣味の時間も家族の気配の中で過ごせる構成としました。リビングから視線が通るよう透明な背板の間仕切り家具を採用し、ゆるやかにつながりを保っています。思春期のお子さんには個室の独立性を確保しつつ、手前にウォークスルークローゼットを設け、家族の衣類を一体的に管理できる住まいとしています。
voice *studioLOOP建築設計事務所
分譲地の北側に位置し、周囲を住宅に囲まれた敷地で、開放性とプライバシーの両立を図った住まいです。各階南側に全開口の窓を設け、1階は内部縁側と外部デッキを庭へ連続させています。深い屋根と袖壁が日差しや視線を遮り、2階は壁で守られたテラスと東西・上部の開口で光を取り込みます。吹抜けや開口を介して各空間をつなぐことで、家族の気配や声が自然に行き交い、どこにいてもつながりを感じられる住まいです。
富士の家 佐賀高橋設計室
ビルトインガレージやペット室、オープンなキッチンに加え、富士山を望むデッキテラスを備えた、住む人の夢をかたちにした住まいです。キッチンからパントリー、バックヤード、洗濯室へとダイレクトにつながる動線により、ダイニングを介さずに家事を効率的に行える計画としています。暮らしの楽しさと機能性が両立した住宅です。
SOMMELIER FLAT kurachiffon 瀧内未来一級建築士事務所
築33年・102㎡の庭付きマンションを、家族の暮らしに合わせて再編集したリノベーションです。風と光が通り抜ける開放的な間取りへと再構成し、斜めに設えたリビングドアが庭の緑へと視線を導きます。住まいの中心となるキッチンカウンターには、家事や仕事、子どもの成長を支える工夫を集約。収納や動線を丁寧に整え、忙しい毎日を心地よく支える住まいを実現しました。
yet yet つくば春風台の家 e do design 一級建築士事務所
つくば春風台の緑豊かな街並みに佇む、家族3人のための住まいです。片流れ屋根を重ねたファサードが、空へ伸びるような印象を与える外観。その内部には、本に囲まれて暮らしたいというご夫婦の想いから、家族が自由に読書を楽しめる大きな壁面本棚を設けました。吹抜けや小上がり、可変性のある空間が多様な暮らし方を受け止め、家族の成長や変化を包み込む、余白を持った住まいです。