「ha」hosaka hironobu architect associate
ミニマルデザインの家|設計事務所による注文住宅実例14選|少ないほど豊かな住まい
著者:クラスキ編集部
ミニマルデザインの住宅は、ただ「物が少ない家」ではなく、あらゆる要素を注意深く選び抜き、空間の本質的な美しさを引き出す建築的な態度から生まれます。余分な装飾を排除し、素材と光と空間そのものが語りかけるような住まいは、高い設計精度と素材への深い理解なくして成立しません。設計事務所はディテールの納まり、素材の表情、開口部の構成を徹底的に研ぎ澄ませながら、生活の機能も確実に満たす計画を立てます。見えないところへの思考量が、静かな豊かさとして空間に宿ります。日常の喧騒から離れ、静けさの中で暮らす住まいの事例を紹介します。
守口の住宅
株式会社 イン・エクスデザイン
商店街のほど近く、わずか19坪の六角形敷地に建つ「窓のない家」です。敷地の外周いっぱいに建物を巡らせ、その内側に街の喧騒から切り離された静かな世界を創出しました。2層のボリュームの両端には外部空間を挿入し、それらを行き来する動線の中に暮らしの場を配置。明確な部屋の区切りを設けず、用途や行為によって緩やかにゾーニングされた空間は、住まい手の自由な過ごし方を受け止めます。閉じながらも豊かな広がりを感じさせる、独創的な都市住宅です。
yakh
「ha」hosaka hironobu architect associate
緻密な検討を重ねることで、静かな品格をまとった邸宅です。効果的に配置されたピクチャーウィンドウが空間同士を緩やかにつなぎ、内と外、遠景と近景の境界を曖昧にしながら、豊かな奥行きを生み出しています。住まいの中心には3層吹抜けを設け、光と影が時間とともに移ろう印象的な空間を構成。細部まで丁寧に整えられたディテールが空気感までもデザインし、光や風が心地よく巡る、清々しい住環境を実現しています。
9T+
芦田成人建築設計事務所
「9T+」は、わずか9坪の建坪に暮らしの中心となる空間を凝縮しながら、高い快適性を実現した長期優良住宅です。塀に頼らず視線を巧みに制御し、光や開放感を確保。断熱・気密性能を丁寧に高めることで、室内の温度差を抑え、一年を通して快適な環境を実現しています。性能計算に基づいた設計により、小さなエネルギーで効率よく暮らせる住まいに。コンパクトでありながら、豊かな居住性を備えた住まいです。
校舎裏の家
an Archi-Lab. 一級建築士事務所
母娘二人が暮らすための、長年住み続けた実家の建替え計画です。南側に小学校校舎が迫る19坪の狭小地という厳しい条件の中、敷地南側に小庭と濡れ縁を設け、光や風、奥行き感を住まいへ取り込みました。内部には、プライバシーや開放性に応じた複数の居場所を配置し、光が家全体を巡る構成を実現。周辺環境と丁寧に向き合いながら、限られた面積の中に豊かな居住性を育んだ住まいです。「早く帰りたい家」という言葉が、その心地よさを物語っています。
te to te 龍ヶ崎の家
e do design 一級建築士事務所
茨城県龍ヶ崎市の閑静な住宅街に建つ、ご家族3人のための住まいです。周囲の豊かな環境を取り込みながら、3つの異なるボリューム「玄関棟・個室棟・LDK棟」を組み合わせた構成が特徴。外部との距離感を丁寧に調整し、プライバシーを守りながら自然や家族とのつながりを育む空間を計画しました。吹抜けの階段室を介して、それぞれの場がゆるやかにつながる住まい。「te to te(手と手)」の名の通り、家族や周囲との絆を紡ぐ、温かな暮らしの器です。
ルーバー天井の家/2戸→1戸に
株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所
隣り合う2住戸を一体化し、明るさと開放感を追求したマンションリノベーションです。南西の角にダイニングを配置することで住戸全体に光を導き、中央のリビングを伸びやかな家族の居場所として計画しました。リビングに設けたルーバー天井が、内と外の境界を曖昧にし、テラスのような開放感を演出しています。木漏れ日のような光が広がる、心地よい住まいです。
Smallest
佐藤宏尚建築デザイン株式会社
敷地面積37.7㎡、建築面積7.8坪という極小の敷地に建つ、地上5階の都市型狭小住宅です。居室を縦に積み重ね、階段室とエレベーターをまとめることで、限られた面積を無駄なく活用しています。全面ガラス張りの階段室が東西の視線をつなぎ、宙に浮くキッチンやカウンターが圧迫感を軽減。コンクリート打ち放しと最小限のディテールによって、素材と階段の造形美を際立たせています。
東雪谷の家
株式会社 中村高淑建築設計事務所
呑川沿いの約9坪の敷地に建つ、地下を含む4層・延床21坪の狭小住宅です。両親が暮らした土地への思いを受け継ぎ、狭さを楽しむ住まいを目指しました。厳しい斜線制限には、機能ごとに分節したスキップフロアで対応しています。レベル差と螺旋階段が空間に豊かな変化を与え、独特の屋根形状が印象的な、静謐で凛とした佇まいをつくり出しています。
彩都粟生南の家
ARCHIXXX眞野サトル建築デザイン室
新しく開発されたニュータウンに建つ住まいです。周囲に建ち並ぶ住宅からプライバシーを守るため、2階のLDKやバスルーム、テラスを外壁で囲み、コートハウスのような内向きの構成としました。外部からの視線を抑えながら、採光と通風は上部から取り込むことで、閉鎖感のない心地よい住環境を実現しています。1階はピロティ状の車路とし、駐車スペースを通り抜けられる計画に。敷地条件を生かし、暮らしやすさとプライバシーを両立した住まいです。
守口大日の住宅
一級建築士事務所 Coo Planning
大阪府守口市に建つ木造2階建ての住宅です。行き止まり道路の奥に位置する敷地条件から、周囲からの視線に配慮したプライバシー性の高い住まいを計画しました。外観は開口部を最小限に抑えたミニマルなデザインとし、吹抜け上部に設けた天窓から自然光を取り込むことで、明るく開放的なLDKを実現しています。さらに、設備機器や24時間換気システム、太陽光発電などにもこだわり、快適性と省エネルギー性を両立。都市住宅に求められる機能と暮らしやすさを備えた住まいです。
江田の家
zeal architects
雄大な河川沿いに建つ一戸建て住宅の計画です。施主である弟家族が、祖父母と自身の幼少期を過ごした思い出の敷地を選び、記憶を次世代へと受け継ぐ住まいとして計画されました。既存住宅は老朽化のため手を加えず、その隣に新たな住まいを建て、かつての風景や記憶を建築に重ねています。切妻屋根のシルエットや川辺の眺めを継承しつつ、敷地条件に応じてボリュームを調整。内部は川側に全室を開き、日常の中に風景を取り込む構成としています。
小上がりと通り庭のフラット|閑かな家
株式会社 山本嘉寛建築設計事務所
若いご夫婦と文鳥、めだかが暮らすマンション一室の改修です。床座の生活に合わせ、LDKワンルームは気積が大きすぎるとの要望を受け、小上がり・寝室・水廻りの三つのまとまりを微かな隙間を取りながら配置し、身体的なスケール感と奥性のある空間をつくりました。素材は木材とセメントの塗装仕上げで、縁取った開口部から入るやさしい光が室内に満ちています。
vida
*studioLOOP建築設計事務所
密度の高い住宅街に建つ、郊外型の狭小住宅です。東・北を隣家、南を商店に囲まれる一方、西側には起伏の豊かな茶畑が広がります。厳しい容積率と北側斜線を踏まえ、2階にはLow-Eガラスの大開口を備えたLDKを計画しました。ワンルームの空間に天井いっぱいの収納とドライエリアを設け、1階には寝室と水回りをコンパクトに配置。プライバシーを守りながら借景を取り込み、街並みに明るいアクセントを添えています。
館山の家
多田建築設計事務所
千葉県館山市の国定公園内に建つ、海と自然を楽しむためのセカンドハウスです。防風林越しに水平線を望む恵まれた環境を活かし、海側に大きく開いた開口と、隣家側を抑えた端正な構成を採用しました。釣りを楽しむための広い土間や、深い軒の濡れ縁が内外を緩やかにつなぎます。建具によって空間の使い方を柔軟に変えられるほか、特徴的な屋根架構が伸びやかな室内に個性を与えています。無駄を削ぎ落としたミニマルな住まいは、海風とともに豊かな時間を育みます。
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