映画を楽しむ家|設計事務所による注文住宅実例5選 著者:クラスキ編集部
映画を楽しむ家では、映像を見る時間を包み込む空間のつくり方が、住まいの印象を形づくります。スクリーンやモニターを中心とした場所だけでなく、照明の明るさや壁面の質感、家具の配置などが一体となることで、映像に集中できる落ち着いた空間が生まれます。リビングの一角に大画面を設ける構成から、専用のシアタースペースまで、その表現はさまざまです。音や光を受け止める空間のつながりによって、映画を見る時間が日常の暮らしの中に自然に位置づけられることもあります。映画を楽しむ家というテーマが実際の住宅でどのように建築として表現されているのか、設計事務所による注文住宅の実例を紹介します。
越谷の家 望月建築アトリエ
駅から程近い住宅地の角地に建つ住まいです。道路からの外観とプライバシーに配慮し、周辺を取り込むのではなく、敷地内に中庭を設けて光や風、緑を導きました。1階に個室や収納、水回り、2階にリビング・ダイニング・キッチンを配置し、構造垂木を表した屋根が空間を包みます。こだわりのインテリアやホームシアターも、中庭を介して心地よくつながるモダンな住まいです。植栽の成長や天井垂木の経年変化も楽しめます。
+UMI 〜リフォームデザインコンテスト 審査員特別賞/TDYリモデルスマイル作品コンテスト(TOTO) 優秀賞〜 YIA イシウエヨシヒロ建築設計事務所
瀬戸内海を望む住まいを、景色と暮らしが響き合う空間へと刷新したリノベーションです。海に向かって大きく開くデッキをアウトドアリビングとして設け、室内からも常に海の気配を感じられる構成としました。住まいの中心にはオープンキッチンを配置し、景色や会話を楽しみながら料理ができる環境を実現。映画鑑賞を楽しむシアタールームも備え、ゲストを招く際には一体的な大空間として活用できます。海とともに過ごす豊かな時間を丁寧にかたちにした住まいです。
House M/M 吉原環建築設計
この住まいは、施主が多感な青年期を過ごした土地への記憶から始まった計画です。風通しと採光のよさを求めつつ、角地で通学路にも面するため、単純な南向き配置では落ち着きが得られないという課題がありました。さらに建ぺい率の制限を踏まえ、角地緩和を活かしながら敷地を最大限に使うため、中庭を囲む構成としています。南側にリビング、北側に寝室や作業スペースを分けながらも、中庭を介して光と風が巡り、緩やかな一体感が生まれています。中庭はリビングや玄関から直接出られ、外からの視線を気にせず過ごせる半屋外の居場所となっています。
福島の家 Abax Architects
大阪市福島区に建つ都市型住宅です。前面道路も狭く、三方を高層建物に囲まれた厳しい環境の中で、「終の住処」としてホームエレベーターを備えた住まいを計画しました。当初はリフォームの検討から始まりましたが、検査済証の問題により新築へと転換しています。外壁にはケイミュー社のソリドを採用し、経年変化を楽しめる素材感を重視しました。バルコニーの笠木や軒下の押さえにはリン酸処理鉄板を用い、ディテールまで統一感のある都市的な外観を実現しています。
White House 株式会社 ファーイースト・デザイン・ラボ
郊外住宅地ならではの開放性とプライバシーの両立を目指した、4人家族のための住まいです。外部からの視線を抑えながら、光あふれる階段室を住まいの中心に据えることで、各階が緩やかにつながり、空を身近に感じられる明るい空間を実現しました。3階には家庭菜園も楽しめるルーフバルコニーを設置。1階には本格的な防音性能を備えたシアタールーム兼ゲストルームを設けています。縦横に広がる構成と窓の配置により、開放感と快適なプライベート空間を両立した住まいです。