土間収納のある家|設計事務所による注文住宅実例11選 著者:クラスキ編集部
土間収納のある家では、玄関まわりの空間を単なる出入り口としてではなく、暮らしを支える場所として捉えています。靴や傘だけでなく、外で使う道具や日用品などをまとめて置ける土間収納は、玄関から室内へ続く空間のつながりにも関わる要素です。収納の奥行きや入口の位置、玄関との関係によって、見え方や使われ方も変わります。土間が広がることで、外と室内の間にゆとりが生まれ、住まいに独特の奥行きを感じさせることもあります。また、収納部分を隠すのか、あえて見せるのかによって、玄関の印象にも違いが生まれます。暮らしの道具を受け止める場所として、土間収納が住宅全体の構成にどのように組み込まれているのか。設計事務所による注文住宅の実例から、その空間のつながりと表情を読み解きます。
ELL 〜美術館のように 白い空間が飾る平家〜 YIA イシウエヨシヒロ建築設計事務所
愛媛県西条市の豊かな自然環境に建つ、天井高3,950mmの平屋住宅です。当初は2階建てを希望していた施主に対し、吹抜けのような開放感を持つ平屋を提案。高い天井と南側からの採光、高窓による通風計画によって、伸びやかで心地よい住空間を実現しました。大屋根に包まれたアプローチの先には、中庭を望む玄関や自転車を飾るスペースを配置。濡れ縁が内外を緩やかにつなぎ、暮らしに豊かな広がりをもたらしています。高さが生み出すゆとりを丁寧に形にした住まいです。
スキップフロアをもつガレージハウス 充総合計画一級建築士事務所
約30坪の角地に建つガレージハウスです。敷地の高低差を活かしたスキップフロア構成により、湿気対策を図りながら、多彩で心地よい居場所を生み出しました。明るいビルトインガレージをはじめ、傾斜天井のリビング、シンボルツリーを望むダイニング、オールステンレスのキッチン、大容量パントリー、洋裁工房やロードバイクの収納スペースまで、暮らしの楽しみを丁寧に受け止めています。高い断熱性能と制震構造も備え、趣味と快適性、安心を兼ね備えた住まいです。
白金の家 株式会社 中村高淑建築設計事務所
白金の閑静な住宅地に建つ、東京の眺望を暮らしに取り込んだ住まいです。高低差のある敷地を活かし、3階には東京タワーや六本木ヒルズ、周囲の緑を望む眺望デッキを設置。2階のLDKにはL型の出窓やたたみコーナーを設け、吹抜けとスケルトン階段によって光と視線が上下階をつなぎます。限られた敷地の中に、都心ならではの眺望と開放感を巧みに取り込んだ住まいです。
friends *studioLOOP建築設計事務所
ご夫婦と母親が暮らす本住宅は、家族のつながりと一人ひとりの豊かな時間を両立させる住まいです。LDKと2階のロフトを一体化し、南庭に面した大開口や空を望む窓から光を導いて、開放感を生み出しています。玄関にはロードバイクのメンテナンススペースを設置。庭の桜とともに家が育ち、周辺の町並みに新たな風景を添えます。軒高を抑えた白い外観も、街との調和を静かに描いています。
nestle 石岡の平屋 e do design 一級建築士事務所
奥様のご実家に隣接する敷地に建てた、家族と愛犬のための平屋の住まいです。湘南から移住したご夫婦は、在宅勤務をきっかけに、海の近くでの暮らしを選択。サーフィンを楽しむご主人と、庭を駆け回る愛犬のための環境を求め、新たな生活の場をつくりました。南向きのウッドデッキに面したLDKを中心に、各空間がゆるやかにつながるワンルームのような構成。家族が自然に寄り添い、穏やかな時間を育む「nestle」な住まいです。
土間の家|自転車も収納、土間空間 株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所
狭小かつ奥行きのある敷地条件に向き合い、光と開放感を丁寧に導いた住まいです。周囲を住宅に囲まれた環境の中で、バルコニーを設けず屋上を活用することで、限られた敷地を有効に計画。屋上へと続く階段は光の通り道となり、明るさをリビングへと届けます。広々とした玄関土間には自転車やベビーカー、ゴルフバッグなどを収納でき、都市住宅に求められる機能性も確保。コンパクトな敷地の制約を、豊かな暮らしへと転換した住まいです。
館山の家 多田建築設計事務所
千葉県館山市の国定公園内に建つ、海と自然を楽しむためのセカンドハウスです。防風林越しに水平線を望む恵まれた環境を活かし、海側に大きく開いた開口と、隣家側を抑えた端正な構成を採用しました。釣りを楽しむための広い土間や、深い軒の濡れ縁が内外を緩やかにつなぎます。建具によって空間の使い方を柔軟に変えられるほか、特徴的な屋根架構が伸びやかな室内に個性を与えています。無駄を削ぎ落としたミニマルな住まいは、海風とともに豊かな時間を育みます。
Four Decks 株式会社 富谷洋介建築設計
土地探しから共に進め、「スキップフロアのある住まい」という要望に応えて選んだのは、約2mの高低差を持つ傾斜地でした。地形をそのまま生かし、4層が吹き抜けでゆるやかにつながる立体的な空間を構成。移動するたびに異なる景色や家族の気配を感じられます。山並みや公園の緑を取り込む窓、庭とつながる土間、多目的に使える余白の空間などを備え、高低差を魅力へと変えた、自然と寄り添う住まいです。
光里の家-コンパクトにひろがる子育て世代の家- 乗松得博設計事務所
生後半年の男の子を迎えた家族のために計画された、成長とともに育つ住まいです。玄関と駐車スペースをつなぐ通り土間は、洗面や浴室、ランドリーへと連続し、日々の暮らしを快適に支えます。南庭と坪庭という趣の異なる二つの庭が、住まいに豊かな奥行きと変化をもたらし、光や風をやさしく取り込みます。コンパクトな構成の中に伸びやかな広がりを備え、自然を身近に感じながら暮らせる住まいです。
I-house 石橋優介建築設計事務所/IAA
周囲を建物に囲まれた敷地条件を生かし、住まいの中心に中庭を設けました。各室に光と風を届けながら、洗面脱衣室から中庭へ直接つながる動線で、洗濯をはじめとする家事もスムーズに。さらに、将来2室に分けられる子ども部屋や、玄関の土間収納、キッチンに隣接したパントリーなど、暮らしの変化に対応する収納を計画しています。30年先まで見据え、日々の使いやすさを丁寧に整えた住まいです。
ドマーノハウス 祐成大秀建築設計事務所
養老山脈の麓、緩やかな傾斜地に建つ、キャンプを愛する家族のための住まいです。地形を活かしたスキップフロアにより、キッチン・ダイニングからリビング、土間リビングへと空間が緩やかにつながります。最も低い位置に設けた土間リビングは、玄関土間やデッキと連続し、屋内にいながらキャンプのような開放感を楽しめる場所に。中間階には子どもの勉強や遊びの場を設け、家族の気配を感じながら程よい距離を保てる住まいとしています。