露天風呂のある家|設計事務所による注文住宅実例4選 著者:クラスキ編集部
湯船につかりながら外の空気や景色を感じられる露天風呂は、日常の中に特別な時間をつくる空間です。住宅に露天風呂を取り入れる場合、その魅力は浴槽そのものだけでなく、周囲の景色や光、建物との関係によって大きく変わります。庭の緑を眺めたり、空を見上げたりできる開放的なつくりの一方で、外からの視線を遮る壁や植栽によって、落ち着いて過ごせる環境がつくられることもあります。昼と夜では光の表情が変わり、季節によって見える景色も異なるため、時間の移ろいを感じられる場所にもなります。浴室を単なる水まわりとしてではなく、住まいの中で特別な体験を生む場所として捉えることで、建築との関係も深まります。設計事務所による注文住宅の実例を通して、露天風呂が住まいの中でどのような空間として表現されているのかを読み解きます。
茅ヶ崎O邸 株式会社 中村高淑建築設計事務所
サザンビーチから程近い、住宅に囲まれた敷地に建つガレージハウスです。海が見えない環境を逆手に取り、プライバシーの高い落ち着いた住まいとして計画。国産材を用いた木造住宅に、ビルトインガレージと広い土間を設け、DIYや遊び、読書、音楽など多目的に楽しめる場としました。1階は暮らしの変化に応じて柔軟に使い分け、2階には明るいLDKと露天風呂付きのバルコニーを設けています。
泉佐野の家 井上久実設計室
前面道路に続く美しい桜並木を最大限に活かすため、LDKを2階に配置した住まいです。窓の先には四季折々に表情を変える風景が広がり、家族の日常を豊かに彩ります。1階にはピロティ空間を設け、駐車場としての機能に加え、寝室からつながるウッドデッキを計画。サウナ後に利用できる水風呂も備え、住まいの中で心身を整える時間を楽しめます。眺望と趣味、そしてくつろぎを丁寧に織り込んだ住まいです。
truth *studioLOOP建築設計事務所
館林市の間口10m、奥行50mの細長い敷地に、川沿いを流れる風を生かして夏の暑さを和らげる住まいを計画しました。東側には大開口と深い軒のデッキを設け、風を通しながら日差しを遮り、生活の場を外へ広げています。西側には水回りとプライベートデッキを配し、ドライエリアが居室に光と風を届けます。露天風呂も備え、同じ空間にいながら自由な距離感で過ごせる住まいです。
北三国ヶ丘の家 Abax Architects
鉄筋コンクリート造2階建て住宅のフルリノベーションです。既存の片流れ大屋根の空間を活かし、開放的なリビングダイニングへと再構成しています。敷地に残るイロハモミジと桜を丁寧に残し、それらを取り込むようにテラスを新設することで、内と外が緩やかにつながる計画としました。さらに浴室は半屋外とし、自然を感じながらくつろげるリゾートのような空間を実現しています。既存の魅力を引き出しながら、暮らしの質を高めた再生住宅です。