2階リビングの家|設計事務所による注文住宅実例24選 著者:クラスキ編集部
2階リビングの家は、住まいの中心となるリビングを上階に配置することで生まれる空間の特徴があります。周囲の建物との関係によっては、より広い景色や空を感じやすくなり、高い位置から光を取り込める場合もあります。窓の外に見える風景や光の入り方が変わることで、同じリビングでも異なる開放感が生まれることがあります。また、1階と2階の役割が明確になり、家全体の構成にも特徴が現れます。吹き抜けや大きな窓と組み合わせることで、上階ならではの広がりを強調した空間も見られます。リビングをどこに置くかという選択は、住まい全体の印象や過ごし方にも関わる重要な要素です。設計事務所による注文住宅の実例から、2階リビングが生み出す空間の魅力や建築的な工夫を紹介します。
高台の景色を生かしたピアノ教室のある家 芦田成人建築設計事務所
眼下に広がる景色を望む高台の住まいを求め、土地所有者との直接交渉を経て実現した住まいです。将来、子どもたちの選択肢が広がる立地も土地選びの決め手となりました。ピアノ講師である施主のため、セルロースファイバーなどを用いた防音対策を施し、周囲を気にせず演奏できる環境を整えています。眺望を生かすため生活の中心を2階に置き、音と暮らしを巧みに切り分けた上下逆転型の構成です。
宇治の家 ARCHIXXX眞野サトル建築デザイン室
京都府宇治市の住宅密集地に建つ住まいです。限られた環境の中で最大限の採光と眺望を得るため、窓の位置や高さを丁寧に計画しました。ビルトインガレージにはシャッターではなく格子の引戸を採用し、街に対する圧迫感を軽減。2階ダイニングでは、椅子に腰掛けると周囲の建物が視界から消え、窓いっぱいに空だけが広がります。夜にはFIX窓からこぼれる光が天井を照らし、内外に静かな表情を生み出します。
小谷の家 暮らしの醸造所
三叉路に面する敷地に建つ夫婦+猫のための住宅で、左右の棟の高さを抑え三叉路からの圧迫感を軽減する計画です。既存植栽を生かし、2階居間は北側の畑越しに桜の大木を望む開口を配しています。南側は開口を低くし視線を下の植栽に向ける設計で、1階寝室群は光を抑えた落ち着いた空間としています。洗面・浴室は左右の棟より道路側に引き、濡れ縁を設け明るい水廻りとしています。道路側にはユズ、ビワ、シラカシ等を植えています。
風乃家-くらしの中に風景のある住まい- 乗松得博設計事務所
土地探しから検討を重ねて実現した住まいです。北側には公園の緑、その先には瀬戸内の風景が広がり、穏やかに移ろう景色を暮らしの中へ取り込みました。北へ大きく開き、南側の開口を抑えることで、光と風を心地よく調整。深いテラスが内と外を緩やかにつなぎ、安心感と空間の奥行きを生み出しています。日々の何気ない時間の中で、豊かな風景とともに過ごせる住まいです。
狭山の家 一級建築士事務所 Coo Planning
大阪狭山市の狭小敷地に建つ、4人家族のための住まいです。両隣を3階建て住宅に囲まれた環境の中で、駐車スペースや家族分の自転車置場、個室、屋上など多くの要望を整理しながら、豊かな空間体験を追求しました。象徴となるのは2階のリビングに設けられた吹抜けのキューブ空間。2層分の高さを確保することで、限られた面積を超えた開放感と伸びやかさを実現しています。構造とデザインを一体的に磨き上げた住まいです。
千里山西の家 Abax Architects
細長い敷地を活かし、半地下にテニスコートを設けた住宅です。2階にリビングを配置し、構造体をあえて表すことで伸びやかな大空間を実現しています。1階の寝室に面して芝生の中庭を設け、小さな子どもたちが安心して遊べる環境を整えています。
odmh 「ha」hosaka hironobu architect associate
内外を「ホワイト」一色で統一した、ミニマルな住まいです。象徴的な一枚ガラスのピクチャーウィンドウは、風景を大胆に切り取りながら、建築と外部との境界を曖昧にします。その透明感のある開口が空間のスケール感覚を揺さぶり、実際の広さを超えた奥行きと広がりを創出。徹底して要素を削ぎ落としたデザインの中に、住まいならではの個性と存在感が宿ります。静けさと緊張感が共存する、唯一無二のミニマルハウスです。
鵜沼の家 後藤耕太建築工房
濃尾平野の北端、山地へと切り替わる高低差のある敷地に建つ建築家の自邸です。正方形の平面を45度振ることで、主要道路や隣家からの視線を避けながら開放感とプライバシーを両立しました。敷地の高低差を活かし、2階を主な生活空間として計画。コンクリートと木による混構造とし、素材そのものの質感を生かしています。ダイニングを中心に回遊性のある暮らしを実現し、無垢材や真鍮、石など経年変化を楽しめる素材を採用。南に広がる田園風景と調和しながら、時とともに風景に馴染む住まいを目指しました。
家族の顔が見えやすい住まい 建築設計工房BO5
ご夫婦とお子さん2人が暮らす住まいで、「いつでも顔が見える関係性」を大切にした計画です。敷地条件から2階リビングとし、その脇にスタディルームを配置することで、学習や趣味の時間も家族の気配の中で過ごせる構成としました。リビングから視線が通るよう透明な背板の間仕切り家具を採用し、ゆるやかにつながりを保っています。思春期のお子さんには個室の独立性を確保しつつ、手前にウォークスルークローゼットを設け、家族の衣類を一体的に管理できる住まいとしています。
豊四季の家 ユウ建築設計室
柏市の旗竿敷地に建つ、延床約26坪のコンパクトな住まいです。周囲を住宅に囲まれた環境の中で、光を最大限に取り込むために2階リビングを採用しました。バルコニーに面する開口部は斜めの壁で視線を巧みにコントロールし、明るさとプライバシーを両立しています。モルタル調サイディングの外観に、梁や柱を現しとした温もりのあるインテリアが調和。DIYも取り入れながらコストを抑え、工夫と創意によって豊かな暮らしを実現した住まいです。
目黒の家 津野建築設計室
桜並木の近くに建つ、東西に細長い敷地の住宅です。採光を得にくい条件に対し、昼間に使う時間の長いリビングと子供部屋を二階に配置し、隣家の屋根越しに光を取り込む高窓を設けました。道路際まで張り出す駐車場の上部は広いテラスとし、視線を遮りながら、春にはリビングから桜を眺められます。各階には東西を貫く通路を設け、光と風が家全体を抜ける住まいとしています。
羽村の家 望月建築アトリエ
郊外住宅地の角地に建つ住まいです。東側に広がる雑木林のような公園を借景として取り込みながら、道路からのプライバシーに配慮し、生活の中心を2階に置いています。キッチンからダイニング、リビングへ連続する開口部と、変化する天井高が空間に広がりを演出します。リビングには一段高い造り付けソファを設け、眺望を楽しむ書斎コーナーも用意しました。落ち着いた色調のインテリアと、片流れ屋根、素材を切り替えた外観が、静かでモダンな印象をつくります。
福島の森の家 株式会社 SPAZIO建築設計事務所
福島市郊外の丘陵地に建つこの住まいは、森や果樹園に囲まれた豊かな自然と、市街地の夜景を望む眺望を享受するために計画されました。深く伸びた軒が美しい水平ラインを描きながら、夏の日差しや雨風をやわらかく受け止めます。室内は北側の開けた景色と南側から差し込む冬の陽光を取り込む南北に伸びやかな構成とし、四季の変化を身近に感じられる心地よい空間を実現。自然と調和しながら穏やかに暮らすための住まいです。
vida *studioLOOP建築設計事務所
密度の高い住宅街に建つ、郊外型の狭小住宅です。東・北を隣家、南を商店に囲まれる一方、西側には起伏の豊かな茶畑が広がります。厳しい容積率と北側斜線を踏まえ、2階にはLow-Eガラスの大開口を備えたLDKを計画しました。ワンルームの空間に天井いっぱいの収納とドライエリアを設け、1階には寝室と水回りをコンパクトに配置。プライバシーを守りながら借景を取り込み、街並みに明るいアクセントを添えています。
Wa house 市井洋右建築研究所
高層建築に囲まれた都心の狭小地に建つ木造住宅です。防火地域の条件を踏まえ、準耐火建築物として2階建て・延べ面積100㎡以内に計画しました。建物を二つのボリュームに分け、一方に機能空間を3層、もう一方に居室を2層で配置。それらを半階ずつずらしてつなぐステップフロア構成により、限られた面積に広がりと適度な距離感を生み出しています。都市の喧騒から離れた、静かで開放的な住空間です。
泉佐野の家 井上久実設計室
前面道路に続く美しい桜並木を最大限に活かすため、LDKを2階に配置した住まいです。窓の先には四季折々に表情を変える風景が広がり、家族の日常を豊かに彩ります。1階にはピロティ空間を設け、駐車場としての機能に加え、寝室からつながるウッドデッキを計画。サウナ後に利用できる水風呂も備え、住まいの中で心身を整える時間を楽しめます。眺望と趣味、そしてくつろぎを丁寧に織り込んだ住まいです。
Kaleidoscope Ⅴ 澤村昌彦建築設計事務所
ガーデンリビングを内包する都市型モダンスタイル。
S邸 SUR都市建築事務所
居住スペースを主に2階に配し、1階に茶室と自転車のファクトリーなど趣味のスペースを設けた中庭型の2階リビング住宅です。建て込んだ南北に長い敷地のため中庭を挟んで2階にLDKと寝室を配置し、LDKは高い勾配天井で南からの日照を取り入れます。
エリンギ 株式会社 MuFF
神奈川県逗子市に建つ住まいです。周辺環境を考慮し、視線の抜けと開放感を確保できる2階にリビングを配置しました。さらに屋上には物見台を設け、花火を眺められる場所としています。周囲の環境を読み解きながら、日々の暮らしに開放感と特別なひとときをもたらす住まいです。
アトリエのあるすまい ティー設計室
設計アトリエを併設する自邸です。かつて散歩道として親しんだ場所に建ち、松林に覆われた浜辺の風景の記憶を継承するように、厚みのある木材で外壁を覆っています。白く塗装することで柔らかさを加え、周囲の環境に静かに馴染む佇まいとしています。内部は床や天井の高低差によって、アトリエや個の場、共有空間を緩やかに分節。ロフトやルーフバルコニー、植栽、階段が内外の広がりを多層的に生み出しています。
桜山の家 佐賀高橋設計室
1階には薪ストーブを備えた応接間と個室を配置し、落ち着いた時間を過ごせる構成としています。2階にはLDKと家族全員で共有するワークスペースを設け、日常と仕事がゆるやかに交わる場としています。海辺という立地を生かし、開放感とおおらかさに満ちた空間が広がる住まいです。
宮の沢の家 株式会社 富谷洋介建築設計
札幌市内の住宅地に建つ二世帯住宅です。三方を道路と擁壁に囲まれた敷地条件を生かし、外部からの視線をやわらかく遮りながら、公園の森へ大きく開く構成としました。南側にリビングやダイニングを配し、森の風景と自然光を家族で共有。キッチンを中心とした十字型の空間やスキップフロア、回遊動線によって、家族の気配が緩やかにつながります。高断熱・高気密と地中熱ヒートポンプを採用し、北海道の暮らしに適した快適な住環境を実現しています。
大海原の風景と暮らす絶景の住宅「水平線の家」 TAPO 富岡建築計画事務所
太平洋を望む高台に、海岸線と平行に2階建ての住まいを配置しました。2階には、21メートルのパノラマウィンドウに沿って、海を一望するリビングダイニングやキッチン、テラス、バスルームを設けています。北側には南アルプスや富士山を望む寝室群を配置。1階には書斎やクローゼット、ゲスト用の和室を収めました。鉄骨架構と高性能な断熱材、ペアガラス、深い庇により、眺望と耐震性、省エネルギー性能を両立しています。
室内化したテラスを持つ家 設計事務所アーキプレイス
子育てを終えたご夫婦が、これからの時間をゆったり楽しむための終の住まいです。住まいの中心となる2階には、南東側に大きなテラスを設け、リビングとダイニングをその周囲に配置。開口を設けた屋根や壁により、屋外でありながら室内の延長のように、光や風、季節の移ろいを感じられます。1階の音楽室を起点とする床レベルの変化と吹抜けが奥行きを生み、3階の展望テラスからは西側の緑を望めます。