在来浴室の家|設計事務所による注文住宅実例6選 著者:クラスキ編集部
タイルや木、石などを使って仕上げる在来浴室は、ユニットバスとは異なり、浴室そのものを一つの空間としてつくることができます。壁や床の素材、浴槽の形、窓の位置などによって印象が変わり、住まいの中でも個性が表れやすい場所です。浴室の窓から庭や外の景色を感じられる構成や、素材の組み合わせによって落ち着いた雰囲気をつくる表現など、建物との関係を生かしたさまざまな空間が考えられます。タイルの色や目地の細かな線、木の質感など、視覚的に楽しめる要素が多いことも特徴です。浴室を単なる水まわりとしてではなく、住まいの中でゆっくり過ごす場所として捉えることで、住宅全体とのつながりも見えてきます。設計事務所による注文住宅の実例から、在来浴室が素材や窓、浴槽などによってどのような空間として表現されているのかを紹介します。
Irita Beach House 株式会社 ファーイースト・デザイン・ラボ
海まで徒歩5分という立地を活かし、リゾートのような日常を楽しむために計画された住まいです。海から戻ってそのままバスルームへ向かい、テラスでバーベキューやパーティーを楽しむなど、内と外が自然につながる暮らしを実現しています。1階は中庭テラスを中心に、LDKやバスルームをコの字型に配置し、開放感あふれる空間を構成。さらに、床や壁、テラスの一部は施主自らDIYで仕上げることで、住まいへの愛着を深めました。時間とともに育ち続ける、海辺のライフスタイルを体現した住まいです。
越谷の家 望月建築アトリエ
敷地は駅近の二方向道路の角地で、道路からの見え方とプライバシーを考慮して設計しています。周辺環境を取込むのではなく、敷地内で余白となる中庭を設け光・風・緑を取り込む計画としています。1階に個室・収納・水回り、2階にリビング・ダイニング・キッチンを配し、天井の構造垂木を表しにして屋根を覆っています。中庭にはシマトネリコを植え、住まい手のインテリアやホームシアターと共に各居室が中庭を介して繋がる構成としています。
薪ストーブのある自然素材の平屋の住まい 一級建築士事務所 光設計
ご夫婦二人のために計画された、中庭を中心とする平屋の住まいです。住まいの中央に設けた中庭から光と風を取り込み、四季の移ろいを映すヤマボウシが日常に豊かな表情を添えます。リビングには薪ストーブを据え、ゆったりとした時間が流れる空間を実現しました。キッチンや洗面台、書斎デスクなどは造作家具で統一し、暮らしに寄り添う設えに。自然素材を活かした快適な室内環境と高い性能を備えた、長期優良住宅認定の住まいです。
Steps V 佐藤宏尚建築デザイン株式会社
木造2階建てでありながら、5層の床によって空間を緩やかにつないだ住まいです。吹き抜けやロフト、床下収納、テラスなどを高低差の中に組み込み、限られたボリュームに豊かな広がりと機能性を生み出しています。1階から屋上までを連続させることで、家族の気配や声が自然に届く一体感のある暮らしを実現。外壁には焼杉を用い、蓄熱式床暖房によって快適性と省エネ性も両立しています。
福島の森の家 株式会社 SPAZIO建築設計事務所
福島市郊外の丘陵地に建つこの住まいは、森や果樹園に囲まれた豊かな自然と、市街地の夜景を望む眺望を享受するために計画されました。深く伸びた軒が美しい水平ラインを描きながら、夏の日差しや雨風をやわらかく受け止めます。室内は北側の開けた景色と南側から差し込む冬の陽光を取り込む南北に伸びやかな構成とし、四季の変化を身近に感じられる心地よい空間を実現。自然と調和しながら穏やかに暮らすための住まいです。
帝塚山東の家 Abax Architects
間口5.2m、奥行24.7mの細長い敷地に建つ、鉄骨3階建ての都市型住宅です。南側に広がる老健施設の庭の植栽を借景として取り込み、都市の中にありながら豊かな緑の気配を感じられる計画としています。建物中央には中庭と階段室を配置し、各室へ光と風を導く構成としました。中庭には竹を植え、雨の日には水が薄く溜まり水盤となって、静かな風景をつくり出します。都市の密度の中に、自然の気配を繊細に取り込んだ住まいです。