木製サッシのある家|設計事務所による注文住宅実例24選 著者:クラスキ編集部
窓は光や風を取り込むための開口部ですが、その素材によって住まいの印象は大きく変わります。木製サッシのある家では、窓まわりに木ならではのやわらかな表情が生まれ、室内と外の景色を心地よくつなぐ役割を果たしています。自然素材の質感は家具や床材とも調和しやすく、窓そのものが空間の一部として存在感を持つことも少なくありません。また、窓辺に落ちる光や外の緑との組み合わせによって、季節の移ろいを感じやすい住まいになることも特徴です。建築の中で窓は大きな面積を占めるため、サッシの素材選びは空間全体の雰囲気にも影響を与えます。木製サッシのある家には、素材の魅力を生かした多様な表現が見られます。設計事務所による注文住宅の実例から、その空間のあり方を読み解いていきます。
自然素材でつくる家|北欧デザインのある暮らし Sデザイン設計 一級建築士事務所
珪藻土や木製サッシなどの自然素材を用い、心地よく穏やかな住環境をつくりました。角敷地に合わせてリビングを45度振り、外部からの視線を調整しながら、光と風を自然に取り込みます。北欧ヴィンテージの家具や照明に馴染む、素朴でシンプルな空間も魅力です。木製窓や造作家具の温もりに、珪藻土の柔らかな質感を重ね、断熱性や調湿性にも配慮した、自然体で過ごせる住まいです。
truth *studioLOOP建築設計事務所
館林市の間口10m、奥行50mの細長い敷地に、川沿いを流れる風を生かして夏の暑さを和らげる住まいを計画しました。東側には大開口と深い軒のデッキを設け、風を通しながら日差しを遮り、生活の場を外へ広げています。西側には水回りとプライベートデッキを配し、ドライエリアが居室に光と風を届けます。露天風呂も備え、同じ空間にいながら自由な距離感で過ごせる住まいです。
富士山麓の家 津野建築設計室
別荘地の豊かな自然に抱かれ、既存の傾斜面の肩に二つの箱をずらして配置し、大屋根を架けたシンプルな構成です。敷地の高低差を生かし、北側には鳥の目線で眺望を楽しめる屋根付きテラスと、高天井の落ち着いた空間を設けています。一方、南側には散策の庭へとつながる、明るく水平性を強調した親密な空間を計画しました。都会で暮らす建て主が、親しい人々と自然の中で過ごす多様なシーンを生み出しています。
大きな屋根に守られて 芦田成人建築設計事務所
三方を水路に囲まれた敷地に建つ、水辺の環境と向き合いながら計画された住まいです。水害への備えとして1階の床を地面から高く持ち上げ、大きな一枚屋根への憧れをかたちにした伸びやかな外観を実現しました。内部では、丸柱を中心にリビングとダイニングをゆるやかに分節し、家族が心地よく過ごせる居場所を創出しています。吹抜けを介して上下階がつながり、光や気配が行き交う、安心感と開放感を兼ね備えた住まいです。
ことのは 小島光晴建築設計事務所
豊かな木々に囲まれた敷地に建つ、自然と寄り添うことをテーマにした住まいです。舞い降りた葉が重なり合う情景になぞらえ、4枚の屋根を寄せ集め、その下に家族の暮らしの場を広げました。屋根は空間をやさしく包み込みながら、壁や屋根の隙間を通して木々や空、大地といった周囲の自然へ視線や意識を導きます。光や風の移ろいを日常の中に取り込み、季節や時間の変化を感じながら過ごせる設えとすることで、家族と自然が穏やかにつながる豊かな住環境を実現しています。
淡路島さくらの家 井上久実設計室
淡路島東海岸の豊かな自然に囲まれた敷地に計画された、スポーツ医学を専門とする医師の診療所兼住宅です。大阪湾を望む眺望と山の緑を享受しながら、風や虫、獣害といった自然環境への配慮も重視しました。住居・診療所・浴室の3つのボリュームを、高さの異なる構成で並べ、それらを線状に伸びる“縁側”で接続。縁側は単なる通路ではなく、自然と触れ合うための居場所として機能します。可動式の網メッシュにより通風と防虫性を両立し、風景を楽しみながら快適に過ごせる空間を実現。地域との新たなつながりを育む拠点となることを目指した住まいです。
LOLO 〜キッチン空間アイデア デザインコンテスト 最優秀賞〜 YIA イシウエヨシヒロ建築設計事務所
大きな中庭を中心に据えた、ロの字型の住まいです。二層分の壁に囲まれた中庭は外部からの視線を遮りながら、光や風を住まいの奥まで導きます。リビング・ダイニングは、緑豊かな外庭とデッキを備えた中庭に挟まれ、四季の変化を身近に感じられる贅沢な空間に。中庭を巡る回廊が日常の動線に豊かな景色をもたらし、暮らしに心地よいリズムを生み出します。バスコートや屋上デッキも備え、住まい全体で自然とつながる開放的な暮らしを実現しています。
中庭のある家 根岸達己建築室
中庭を中心に計画された、自然とともに暮らす住まいです。家のどの場所にいてもシンボルツリーの姿を感じられるように設計され、窓越しに広がる緑が日々の暮らしに穏やかな彩りを添えます。見る場所によって異なる表情を見せる庭の風景は、季節や時間の移ろいとともに変化し、住まいに豊かな奥行きをもたらします。内と外が緩やかにつながる空間の中で、四季の気配を身近に感じながら過ごせる、静かで心地よい住まいです。
KMK 株式会社 廣部剛司建築研究所
都市の角地に建つこの住まいは、中庭を中心に内と外をゆるやかにつなぐコートハウスとして計画されています。大開口と吹き抜け、連続するタイル床によって開放感を高めながら、和紙素材のメッシュの建具や光を柔らかく受け止める白い壁面によって、自然との距離感を繊細に調整しました。家族が集うおおらかな1階と、穏やかな光に包まれた2階。それぞれの居場所が光のグラデーションによって結ばれ、都市の中にありながら自然を身近に感じられる豊かな住空間を実現しています。
木立に佇む家 設計事務所アーキプレイス
木立に囲まれた敷地に建つ、30代のご夫婦とお子さまのための住まいです。内と外が緩やかにつながる構成とし、リビングやダイニングから庭や周囲の緑を望めるよう計画しました。水まわりは南側や坪庭に面して明るさと風通しを確保。和室は茶会や宿泊に配慮し、LDKから少し距離を置いています。2階の書斎では、木立の向こうの景色を眺めながら、読書や仕事を楽しめます。光や風、四季の移ろいを身近に感じる住まいです。
家型と回遊動線の事務所兼住宅|polaris ポーラスターデザイン一級建築士事務所
将来、区画整理によって道路や敷地形状が変わることを見据え、環境の変化に左右されない「ふつうの住宅」を模索しました。端正な家型の建物をルーバーで囲み、視線を遮りながら光や風、街の気配を取り込みます。上下階を二つの階段でつなぐ回遊動線に加え、開口部や天窓、床下空調を活かした通風計画も特徴です。カーテンに頼らず過ごせる開放的な1階と、天窓から光が差し込むプライバシーの保たれた2階。普遍性を追求した試験的な住まいです。
遠藤の家 暮らしの醸造所
四方を住宅に囲まれた敷地条件に応え、コの字型の中庭を中心に光と緑を取り込む住まいです。東庭の手法を用い、東からの光と南からの採光を確保しながら、延床26坪とは思えない開放感を実現しました。リビングとフラットにつながるデッキは、暮らしを外へと広げる心地よい居場所となっています。ヤマモミジやオリーブなどの木々が四季を彩り、家族が穏やかに時を重ねる住まいに仕上がりました。
辻堂の家 株式会社 中村高淑建築設計事務所
辻堂の住宅地に建つ、吹抜けとロフトが立体的な広がりを生む住まいです。LDKから2階、ロフトへと視線が抜けることで、コンパクトな規模ながらも伸びやかな開放感を実現。光と風を家全体に取り込み、快適な居住環境を育みます。木をふんだんに用いたやさしい空間に、タイルのアクセントが程よい緊張感を添えた、温もりと洗練を兼ね備えた住まいです。
芦屋の家 Abax Architects
芦屋市の高級住宅街に建つ、地下1階・木造2階建ての住まいです。リビングダイニングからの眺望を確保するため、1階を地盤から約1.5m持ち上げ、その下に地下室を計画しています。道路側の棟は軒を低く抑えることで圧迫感を軽減し、街並みに穏やかに馴染む外観としました。二つのスキップする棟を階段室でつなぎ、動きのある構成としています。玄関ホールの先には水盤を設け、全体としてアジアのリゾートを思わせる静けさと豊かさを演出した住まいです。
Mikuri House I 設計室
閑静な住宅街に建つ、神社の境内に広がる四季の緑を借景とした住まいです。南北に設けた天井まで届く大開口から、豊かな風景と光を室内へ取り込みました。限られた予算を適材適所に配分し、軒の深い軒先空間や外に開いた居場所を設けることで、小さな住まいでも伸びやかに暮らせる構成としています。木の建具や障子がやわらかな光を生み、閉じた時間にも美しい佇まいを見せる住まいです。
辻堂東海岸の家 多田建築設計事務所
湘南・鵠沼の海から徒歩5分の旗竿敷地に建つ、夫婦と子ども1人のための住まいです。当初は2階建ての計画でしたが、豊かな自然と心地よくつながる暮らしを優先し、小さな平屋として提案されました。南側には木製建具を大きく開放できるリビングを設け、南風を室内へ取り込む構成としています。クリの無垢材の床や十和田石の浴室など素材にこだわりつつ、仕上げを抑えてコストバランスを整えています。小上がりの畳や床下収納など、日常に多様な居場所を持つ住まいです。
地下地上空中の平屋 archialpha
眺望に恵まれた高台の斜面地に建つ住宅です。細長い平地に沿って建物を配置し、平面を緩やかに折り曲げることで、異なる角度から景色を楽しめる構成としました。斜面には半地下の寝室を設け、空中には和室を張り出すことで、平屋でありながら地下・地上・空中へと空間が広がります。窓と室内の関係を丁寧に設計し、地形や眺望とのつながりから、それぞれに異なる居心地と空間の表情を生み出しています。
東生駒の家-三庭の二世帯住宅- 乗松得博設計事務所
早春の地鎮祭、盛砂にとまった一羽の渡り鳥に、思わず頬が緩みました。東に矢田丘陵、西に生駒山を望む、東西に接道した敷地に建つ二世帯住宅です。前庭・中庭・奥庭の三つの庭を暮らしの軸に据え、緑を愛で、音を奏で、人が集う奥行きのある住まいを計画しました。これまでの家族の時間を受け継ぎながら、これからの暮らしを紡いでいく。庭木にとまるあの日のジョウビタキを思い描きながら、穏やかな住まいをかたちにしています。
松山・枝松の家 澤村昌彦建築設計事務所
敷地の高低差を活かしたおおらかなリゾートハウス。
南山の家 内田雄介設計室
丘陵地を切り開いた開発地に建つ住まいです。周辺環境の変化に左右されない普遍的な美しさと、時の移ろいを穏やかに受け入れる住まいを目指して計画しました。中庭と吹抜けを効果的に配置することで、建物全体に光と風が巡る開放的な空間を実現。リビングのフルオープン窓は内と外を緩やかにつなぎ、豊かな緑を暮らしの中へ取り込みます。自然の気配を身近に感じながら、四季とともに心地よく暮らせる住まいです。
高尾山麓の家 望月建築アトリエ
高尾山を望む南傾斜の150坪の敷地に、住まいと奥様の助産院、ガレージを併設した平屋を計画しました。大地に這うようなおおらかな外観と、豊かな自然を感じられる内部空間が特徴です。3つの用途に配慮した動線を整え、すべての部屋から山々を望める平面構成としています。大きな切妻屋根が住まいを包み、四季の移ろいを感じながら、のびやかに暮らせる住まいです。
ガクブチハウス 株式会社 一級建築士事務所 アトリエマナ
閑静な住宅街の北傾斜地に建つ住まいです。南側の採光が望めない一方、北西の角地には大きな広がりと眺望がありました。そこで敷地を大きな塀で包み、最も明るい北西に庭を設けています。居室やテラスから庭を眺められるように配置し、塀には複数の額縁窓を設置。四季や時間で移ろう周辺の風景を切り取り、家族の暮らしと街を穏やかにつなぎます。
川辺の秘密基地 株式会社 MuFF
川辺に建つ週末住宅です。湿気などの影響を抑えるため、建物を地面から持ち上げた高床式の構成としました。川に向かって大きく開く全開口を設け、室内と川辺の風景が一体となるような開放的な空間を実現しています。自然の移ろいを身近に感じながら、日常を離れてゆったりとした時間を過ごせる住まいです。
IH house 市井洋右建築研究所
東大阪南部の古い街並みに建つ、築100年超の茅葺き住宅を建て替えた住まいです。玄関を中心に、親族が集う座敷と家族のLDKをL字型に配置し、動線を分けています。縦格子の和空間と、空洞レンガ越しに広がるモダンな空間がアプローチで対比され、庭もそれぞれ異なる表情を見せます。既存住宅の大黒柱を削って再利用した床柱や、街の新たな象徴となる軽やかな大屋根が、歴史の継承を印象づけています。