Abax Architects
らせん階段|設計事務所による注文住宅9選|デザインと機能の両立
著者:クラスキ編集部
らせん階段は、その造形的な美しさから住まいのシンボルとなり得る建築要素のひとつです。一方で、設計においては昇降のしやすさや安全性、素材の選定、構造との関係、建築基準法上の寸法規定など、デザインと機能を両立させるための丁寧な検討が求められます。素材によって生まれる表情は大きく異なり、空間全体のトーンとの調和も重要な視点です。吹き抜けと組み合わせることで光が螺旋に沿って落ちる演出が生まれたり、コンパクトな空間での面積効率に優れる側面もあります。デザインの意図と生活の使いやすさを丁寧に融合しながら、らせん階段が住まいの個性を高めた事例を紹介します。
緑あふれるアトリエのある家
設計事務所アーキプレイス
都内の住宅街にありながら、南側に豊かな緑が広がる敷地に建つ、デザイナー夫妻のためのアトリエ併設住宅です。1階には、陶芸家ルーシー・リーのアトリエを思わせる端正な陶芸空間と、ガーデニングを楽しむ庭を配置。2階はLDKを中心とした生活の場とし、吹抜けを介した回遊動線によってアトリエとのつながりを深めています。緑へと開かれたデッキテラスや螺旋階段が内外を緩やかに結び、創作と暮らしが自然に交差する住まいとなっています。
八潮のガレージハウス
ことこと設計室
三方向を隣家に囲まれた住宅地に建つ、5人家族のための住まいです。プライバシーの確保と開放感の両立をテーマに、1階にはバイクガレージを備えたコンクリート打放しの趣味空間を、2階には木の温もりに包まれた大らかなLDKを配置しました。中央の螺旋階段が空間を立体的につなぎ、トップライトから降り注ぐ光が住まい全体に広がりをもたらします。道路側に開口を設けない構成でありながら、素材や光の扱いを丁寧に積み重ねることで、明るく伸びやかな住環境を実現しています。
SAKURAの家
井上久実設計室
借景の桜を楽しむことをテーマに計画された住まいです。主な生活空間を2階に配置し、リビングを覆うルーバーによって外部からの視線を抑えながら、桜の景色を美しく切り取っています。ルーバーの角度は桜が最も映えるよう調整されており、日射も効果的に遮ることで、直射日光の入りにくい快適な室内環境を実現しました。
sha-la つくばの家
e do design 一級建築士事務所
つくば市、洞峰公園近くの住宅街に建つ、30坪の敷地に計画した家族の住まいです。限られた敷地の中で、ガレージと庭を両立し、光や視線を巧みに導くために取り入れたのが「斜め」のライン。外観に奥行きと個性を与える2本の斜め壁と、家の中心を貫くらせん階段が、空間に豊かな広がりを生み出しています。トップライトから光を届け、家族の気配をつなぐ階段を軸に、暮らしが穏やかに広がる、清々しく柔らかな住まいです。
軽井沢の家
暮らしの醸造所
軽井沢の静かな別荘地に建つ、定年後の夫婦と愛猫のための住まいです。小川のせせらぎや木々の揺らぎが感じられる豊かな自然環境に寄り添い、建築が風景を主張しすぎないよう慎ましく計画されました。橋を渡りながら玄関へと向かうアプローチは、景色の変化を楽しむ体験そのものとなっています。窓から望む四季折々の風景や光と影の移ろいが、日々の暮らしに静かな感動をもたらす住まいです。
風のカタチ
小島光晴建築設計事務所
日本有数の猛暑地として知られる群馬県伊勢崎市に建つ住まいです。エアコンに頼らず快適に暮らしたいという要望に応え、日本の伝統的な住まいの知恵を現代的に再解釈しました。風の流れや地熱、季節ごとの日射を丁寧に読み解き、自然の力を活かした環境を構築。さらに、天井の勾配や床の段差、壁の高さによって視線を巧みにコントロールし、開放感とプライバシーを両立しています。完成から三度の夏を経た今もエアコンを設置せず、季節の移ろいを感じながら心地よく暮らせる住まいとなっています。
H邸
SUR都市建築事務所
SUR設計の2件目の免震住宅です。クライアントの強い希望で免震を採用し、地震時は最大約30cm動きます。収まりを工夫して基礎断熱と床下の室内化を実現し、吹き抜け周りの構造材に古材を用いて全体を統一したデザインとしています。温熱性能は高く、省エネ志向の暮らしにより5kW未満の太陽光でも発電量の約半分のエネルギーしか使っておらず、リアルZEHをはるかに超えています。
中央の家
佐賀高橋設計室
狭小地に建つ木造3階建て住宅です。準防火地域という条件の中で、LDKには木製建具を採用し、素材感のある温かな空間を実現しています。水回りと個室を1階と3階に分散させることで、中間階に広がりのあるLDKを確保しています。螺旋階段が空間の中心に据えられ、コンパクトながらも豊かな広がりを感じる住まいです。
南森町の家
Abax Architects
ビル最上階に計画されたペントハウス住宅です。住まいの中心には中庭を設け、バーベキューを楽しめるテラスとして開放的な外部空間をつくり出しています。浴室はテラスに面して配置し、湯に浸かりながら植栽を眺められる構成とすることで、都市の中にいながらリゾートのような時間を味わえる住まいとしました。内と外が緩やかにつながることで、日常に特別な非日常性をもたらしています。
-
景色を望む家|家づくりのポイント|窓の配置と季節の変化を視野に入れた設計ポイント2026-03-02|クラスキ編集部 -
回遊動線|メリットとデメリット|ぐるっと回れる動線2026-01-27|クラスキ編集部 -
アトリエのある家|設計事務所の紹介|つくることが暮らしになる家2026-05-11|クラスキ編集部 -
おしゃれなアトリエ|家づくりのポイント|創作活動を支える採光と環境づくり2026-03-02|クラスキ編集部 -
2階リビング|メリットとデメリット|開放感を高める間取り2026-01-27|クラスキ編集部 -
シンプルな家|設計事務所による注文住宅|余白が生む豊かさ2026-05-11|クラスキ編集部