Abax Architects
シンプルな家|設計事務所による注文住宅8選|余白が生む豊かさ
著者:クラスキ編集部
「シンプルな家」とは、ただ何もない空間ではなく、必要なものが的確に配置され、素材と光と空間が静かに調和している住まいのことです。不要な装飾を省き、色調を抑え、動線を整理することで、日々の暮らしに落ち着きと心地よさが生まれます。設計事務所はシンプルさを追求する過程で、素材の質感や開口部の比率、天井高のバランスなど、細部にわたる丁寧な検討を重ねます。見た目の簡潔さの裏には、豊かな設計の思考が宿っています。家族の暮らしが穏やかに息づく、洗練されたシンプルな住まいの事例を紹介します。
HE10 〜AICA施工例コンテスト 優秀賞〜
YIA イシウエヨシヒロ建築設計事務所
生駒山の中腹に建つ、雄大な眺望を暮らしに取り込んだ住まいです。大阪湾や六甲連山まで見渡せる景色を最大限に活かすため、LDKを2階に配置。天井の高い開放的な空間と、奥行きのあるバルコニーが内と外を緩やかにつなぎ、風景を暮らしの一部として引き込みます。玄関から階段を上がるにつれて視界が開ける構成は、景色への期待感を高める巧みな演出です。建築を過度に主張させることなく、移ろう自然の美しさを素直に受け止める住まいとなっています。
喜入の家
zeal architects
築100年を超える木造住宅の改修計画です。子供の成長に伴うプライベート空間の確保と、水回りの老朽化更新を目的としています。長い年月で味わいを増した既存部分を意匠として活かしながら、新しい要素を丁寧に馴染ませ、全体の調和を図っています。また将来的な家族構成の変化を見据え、子供室には間仕切りを兼ねたデスクを設置し、用途に応じて一体空間としても使える柔軟な構成としています。
Park Street House
吉デザイン設計事務所
都市の中心部、公園のすぐ隣に建つこの住宅は、三角形の平面構成により独自の空間を生み出しています。外部からの視線をやわらかく遮りつつ、開放的な空間を確保しています。レンタルスペースを併設し、プライバシーの確保と外部への開放を両立しています。内部はコンパクトで機能を効率良く配置し、無駄のない動線で空間をつないでいます。
大今里の家
井上久実設計室
三方を道路に面した角地に建つ、高齢の住まい手のための住宅です。外部の喧騒を遮る大屋根と壁が生活空間を包み込みながら、中庭やテラス、屋根の段差による採光計画によって、閉じつつも開放感のある空間を実現しています。高窓やガラスブロックから柔らかな自然光を取り込み、外部からの視線を抑えながら明るく快適な室内環境を確保。勾配天井の廊下と居室が緩やかにつながり、光と視線が通り抜ける、安心感と豊かさを備えた住まいとなっています。
高槻明野町の家
Abax Architects
小さなお子様のいる若いご家族のために計画された、延床約31坪の住まいです。シンプルな間取りと明快なデザインにより、日々の暮らしに寄り添う快適な空間を実現しています。リビングに面するテラスはアルミのエキスパンドメタルで囲われ、子どもたちが安心して遊べる半屋外の場となっています。時間の経過とともに植栽がそのメタルを覆い、住まいと緑が一体となって育っていく風景を楽しめる計画です。
吹抜けで家族が繋がる高性能住宅|袖ヶ浦・蔵波台の住まい
タイラヤスヒロ建築設計事務所
家の中心に大きな吹き抜けを据え、人・光・風が立体的に巡る回遊性の高い住まいです。南側をセットバックして設けたウッドデッキは、造園家による植栽と緩やかにつながり、内と外を心地よく結びます。吹き抜けに面した2階の通路は、庇として日射を調整しながら耐震性にも寄与。耐震等級3、UA値0.47、C値0.30の高性能を備え、大空間と快適性を両立しています。シンプルな切妻屋根と深い軒が古い町並みに調和し、端正で落ち着いた佇まいをつくり出しています。
公園の傍の家
ユウ建築設計室
公園に面して建つ、建築家の自邸兼アトリエです。延床28坪というコンパクトな規模ながら、空間同士を柔軟につなげることで広がりのある住環境を実現しました。窓の配置や大きさを丁寧に計画し、光や風といった自然の力を最大限に活かすことで、一年を通じて快適に過ごせる住まいとしています。また、木や鉄、モルタル、和紙など多彩な素材を調和させ、豊かな質感を備えた空間を構築。暮らしと仕事、機能性と美しさが心地よく共存する住まいです。
KAN
充総合計画一級建築士事務所
10階からの眺望を最大限に活かしたマンションリノベーションです。東側には都心の景色、南西側には富士山を望む恵まれた立地に対し、個室やキッチンの配置を見直すことで、日常の中で景観を楽しめる住まいへと再構成しました。共用スペースは眺望に向かって大きく開かれ、これまで活用されていなかった東側のデッキはキッチンとつながるアウタールームとして再生。可動間仕切りも取り入れ、開放性と柔軟な使い方を両立した住空間を実現しています。
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