小島光晴建築設計事務所
薪ストーブのある家|設計事務所による注文住宅実例17選|炎の温もりと共に暮らす
著者:クラスキ編集部
薪ストーブが放つ炎の揺らぎと輻射熱の温もりは、暖房器具としての機能を超えた、生活の豊かさそのものです。住まいに薪ストーブを設けるには、煙突の位置と高さ、周辺の不燃材料による仕上げ、薪の搬入・保管動線の確保、メンテナンスの計画など、設計の段階から総合的に検討する必要があります。設置する部屋の気密・断熱性能とのバランスも重要で、高気密住宅では適切な外気導入の計画が求められます。ストーブの機種や使用頻度、間取りとの関係を整理しながら、炎を中心に家族が集う、豊かな住まいの実例を紹介します。
大洞の家
後藤耕太建築工房
新たに開発された住宅地の高台に建つ住まいです。美術館のような空間でコーヒーを淹れ、客人をもてなしたいという施主の思いから計画されました。南北に広がる山々の眺望を取り込むため、天井の高い筒状の空間を中心に構成し、床のレベル差によって視線の広がりと空間の変化を生み出しています。トップライトからの光が表情を変える玄関や、白を基調とした非日常的な水回りも特徴です。豊かな自然と静かな時間を味わいながら、客人を迎え入れるための住まいとなっています。
雪国の増築
佐藤宏尚建築デザイン株式会社
雪国に建つ既存の母屋に、家族が集うダイニングと2つのベッドルームを増築した住まいです。増築部分は既存の屋根勾配をそのまま延長することで、母屋との連続性を保ち、落ち着いた佇まいに仕上げています。無垢のスチール柱による大開口は全面開放が可能で、季節や暮らしに応じた柔軟な使い方を実現。トップライトとミラーが光を室内へ広げ、雪国の住まいに明るさと開放感をもたらしています。
豊中緑丘の家
井上久実設計室
郊外の街並みに並ぶ大きなカーポートに着目し、住宅・植栽・車庫を並列に配置した住まいです。間口9mの縦長敷地と高低差を活かし、通り側には高さを抑えた個室、奥には伸びやかな家族空間を設けることで、人に寄り添うスケール感を大切にしています。車庫はパーゴラで覆われ、クレマチスやジャスミンが育つことで、住宅と一体となった緑豊かなファサードを形成。時間とともに街並みに新たな風景を育む住まいを目指しています。
徳島の家 子世帯-二世帯の暮らしを包み、光を与える屋根-
乗松得博設計事務所
屋根は、この場所にどのようにあるべきか。住まいとして、街に対してどう佇むべきかを考えた住まいです。寄棟、切妻、片流れ、越屋根など、異なる屋根が重なり、つながりながら二世帯の暮らしを包み込みます。屋根の形は室内の天井となって現れ、室内の豊かな表情が外観にもにじみ出ます。多面の天井と深い軒裏が光を受け止め、反射し、吸収することで、光と影が織りなす陰影豊かな住まいとなっています。
森窓の家
株式会社 富谷洋介建築設計
「森が見える暮らし」を求め、土地探しから約2年をかけて出会った、東側に自然林が広がる住まいです。森を眺めるだけでなく、暮らしそのものを森へひらくことをテーマに、玄関土間やスキップフロア、スケルトン階段を介して、移動するたび異なる風景と出会える構成としました。薪ストーブやヌック、木の素材を生かした静かな空間が、自然を身近に感じる時間を育みます。高断熱性能と太陽光発電なども備え、四季とともに豊かさを深める住まいです。
奥武蔵の家
望月建築アトリエ
埼玉県西部の市街地で、代々続く敷地に二世帯住宅への建替えの計画です。既存の庭は、大きな木々が茂り、街区の残された貴重な緑となっており、その庭の活用と世帯の距離感を配慮した計画です。藤棚を残すことを含め、玄関を一つとして他は完全分離する二世帯で、ビルトインガレージ二台分を設けています。西側の道路に玄関とガレージを配置し、ホールから各世帯に分かれます。各世帯は庭と繋がる屋根勾配を利用したリビングを中心に計画しています。外観は片流れの大屋根とし、軒や天井に西川材の無垢の桧板を用いています。
サクラノキ
株式会社 松本直子建築設計事務所
思い入れのある土地を受け継ぎながら、二つの住まいへと再構築した計画です。一つの敷地を二分し、それぞれに賃貸部分を備えた住宅を配置。親世帯と子世帯が適度な距離を保ちながらも、同じ場所を共有するつながりを感じられる構成としました。限られた敷地の中で広がりを生み出し、それぞれの暮らしが心地よく営まれる住環境を丁寧に整えた住まいです。
陸前高田の住まい
ARCHIXXX眞野サトル建築デザイン室
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市で、文房具店を併設した住まいを再建する計画です。現地の気候や風土、地域の慣習を丁寧に読み解き、少しでもかつての風景を取り戻しながら、家族が安心して暮らせる住まいを目指しました。将来は定年後に趣味を生かした雑貨店を営むことも見据え、大きな土間や特徴的な曲がり屋根を設けています。過去の記憶を受け継ぎ、これからの暮らしを育む住まいです。
芦屋の家
Abax Architects
芦屋市の高級住宅街に建つ、地下1階・木造2階建ての住まいです。リビングダイニングからの眺望を確保するため、1階を地盤から約1.5m持ち上げ、その下に地下室を計画しています。道路側の棟は軒を低く抑えることで圧迫感を軽減し、街並みに穏やかに馴染む外観としました。二つのスキップする棟を階段室でつなぎ、動きのある構成としています。玄関ホールの先には水盤を設け、全体としてアジアのリゾートを思わせる静けさと豊かさを演出した住まいです。
秦野の家
株式会社 中村高淑建築設計事務所
広々としたガレージと暖炉(薪ストーブ)を備えた、アクティブなご夫婦の住まいです。自転車雑誌の編集長を務めていたご主人は、12台もの自転車を所有し、現在も増殖中。バイクやクルマ、登山、DIYなど、多彩な趣味を楽しめる空間が広がります。2階は寝室と一体になったワンスペース・リビング。3.2mの高い天井が、日本の住宅とは思えない開放感を生み出しています。
S別邸
SUR都市建築事務所
城ヶ崎海岸から少し登った南東傾斜地に建つ、伊豆大島を望む別邸です。退職後の暮らしがメインとなる住まいで、温暖な気候と南東傾斜の立地が良好な日当たりと風通しを生み、無理なくパッシブデザインを採用しています。ワンルームのLDKを中心としたコンパクトな建物ですが、お子さん家族など大勢が集まることも考慮した計画です。
薪ストーブのある家
根岸達己建築室
かつて高架線の影響で北側に庭、南側に建物を寄せた「南北逆転の家」が並ぶ地域での建て替え計画です。旧来の住まいは日中も照明が必要で冬は寒く、明るく暖かな住環境が強い要望でした。30坪弱の敷地条件の中、プライベート空間を効率よくまとめ、パブリック空間にゆとりを確保しています。隣家が近接するためハイサイドライトやトップライト、縦格子から柔らかな光を取り込みました。キッチンは施主による制作で、小さくも機能的な空間となり、日々の料理が楽しみになる住まいです。
木立に佇む家
設計事務所アーキプレイス
30代夫婦と男の子の3人家族のための住まいです。木立に囲まれ、北側には浅間山を望む敷地の特性を生かし、内外が一体となる空間構成としました。水廻りは南側と坪庭に面して配置し、明るく風通しの良い環境を確保。茶会や宿泊に対応する和室はLDKから離し、水廻り近くに設けています。2階の書斎は家族で眺望を楽しむ場とし、自然とともに暮らす住まいを実現しています。
秋川の家
ことこと設計室
秋川丘陵の豊かな自然を望む傾斜地に建つ、暮らしとアウトドアが緩やかに溶け合う住まいです。芝生の中庭を中心に、LDKを備えた母屋と水廻り・ガレージを備えた離れを配置し、自然を身近に感じられる構成としました。空間の中心にはシンクを組み込んだ全長5mのダイニングテーブルを据え、家族や友人が集う場を創出。あえて造り込み過ぎないインテリアは、住まい手自身が手を加えながら育てていく余白を残しています。時間とともに風景も暮らしも成熟していく住まいです。
桜山の家
佐賀高橋設計室
1階には薪ストーブを備えた応接間と個室を配置し、落ち着いた時間を過ごせる構成としています。2階にはLDKと家族全員で共有するワークスペースを設け、日常と仕事がゆるやかに交わる場としています。海辺という立地を生かし、開放感とおおらかさに満ちた空間が広がる住まいです。
金沢・宝町の家
澤村昌彦建築設計事務所
金沢市の高台に建つ平屋建て住宅です。アウトドアがご趣味のクライアントで、庭にアウトドアリビングやバーベキュースペースを設けました。リビングは全面ガラス張りですが、日射を遮るために1.8mの庇を設けています。また、趣味室として、インナーゴルフ室を設けています。
米原の家Ⅱ
若林秀典建築設計事務所
滋賀県米原市、伊吹山麓の豪雪地に建つ子世帯の住宅です。夏の山風を取り入れつつ冬の寒さを抑えるため、北側は開口を小さく、南側は大きく開く配置とし、敷地北寄せのL字型で母屋と中庭を囲むように配置しました。低めの廊下から吹抜のLDKへと連なり、南側の大開口が中庭や2階室と連続して家族の気配を繋ぎます。玄関の地窓から中庭とリビングの足元が垣間見える構成です。
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