小島光晴建築設計事務所
ガラス張りの家|設計事務所による注文住宅9選|光と透明性が生む豊かさ
著者:クラスキ編集部
ガラス張りの住まいは、内と外の境界を曖昧にしながら光と景色を豊かに取り込む、開放的な建築表現のひとつです。一方で、大きなガラス面は断熱性能やプライバシー、夏季の日射遮蔽といった課題とも向き合う必要があります。設計事務所はガラスの種類や性能の選定から、庇や格子による日射コントロール、隣地や道路との関係を踏まえた開口の方向性まで、総合的に検討しながら「透明性と快適性の両立」を図ります。自然光が刻々と表情を変える中で、光の移ろいを暮らしに取り込む住まいを紹介します。
PIBRO
株式会社 SPAZIO建築設計事務所
仙台中心部の高密な市街地に建つ、都市住宅ならではの開放性を追求した住まいです。約30坪の限られた敷地の中に、中庭や吹き抜けを巧みに配置し、光と風を縦横に取り込むことで、周囲の環境から一歩切り離された伸びやかな内部空間を実現しています。幾重にも重なる光の層と視線の抜けが、住まいに透明感と奥行きをもたらし、都市の喧騒を忘れさせる心地よい居場所を創出。コンパクトな敷地からは想像できない、ダイナミックな広がりを感じさせる一邸です。
水平窓と段床の家
archialpha
美術サークルの友人とその家族の住宅で、住宅地と市街化調整区域との境に位置する開けた敷地を選び、葛城山の眺めと日常の関係を考えました。水平窓に対して床の高さを変え、場所や身体の状態ごとに切り取る景色を変化させます。キッチンは山裾や町並み、ダイニングは山全体と田んぼ、キャットウォークは畑作業や駐車場、ソファは山と空のみが見え、立ち座りで景色が急速に切り替わることで独特の感覚が生まれます。コルビュジェのガルシュの家や円通寺の借景との類似にも言及しています。
陶芸家の家
根岸達己建築室
富士山麓の森に隣接する敷地に計画された、4人家族のための住まいです。陶芸家のご主人とイラストレーターの奥様の創作拠点でもあり、森の風景を暮らしに取り込むことがテーマとなっています。リビングは森へ大きく開いた吹抜け空間とし、黒い土間が外部のスコリアと呼応しながら内外の境界を曖昧にしています。建物は高さを抑え、森に静かに寄り添うように佇んでいます。
ssrh
「ha」hosaka hironobu architect associate
巨大なカーテンウォールが、1.5層の吹抜けリビングに圧倒的な開放感をもたらす住まいです。吹抜けに隣接するロフトはガラスの壁で構成され、外部へ開かれた大開口と呼応することで、空間にさらなる広がりと透明感を生み出しています。豊かな自然光が住まい全体を包み込み、時間とともに表情を変化させるのも魅力のひとつ。アクセントとなる個性的なフローリングが空間を引き締め、洗練されたインテリアを印象づけています。
ことのは
小島光晴建築設計事務所
豊かな木々に囲まれた敷地に建つ、自然と寄り添うことをテーマにした住まいです。舞い降りた葉が重なり合う情景になぞらえ、4枚の屋根を寄せ集め、その下に家族の暮らしの場を広げました。屋根は空間をやさしく包み込みながら、壁や屋根の隙間を通して木々や空、大地といった周囲の自然へ視線や意識を導きます。光や風の移ろいを日常の中に取り込み、季節や時間の変化を感じながら過ごせる設えとすることで、家族と自然が穏やかにつながる豊かな住環境を実現しています。
SAKURAの家
井上久実設計室
借景の桜を楽しむことをテーマに計画された住まいです。主な生活空間を2階に配置し、リビングを覆うルーバーによって外部からの視線を抑えながら、桜の景色を美しく切り取っています。ルーバーの角度は桜が最も映えるよう調整されており、日射も効果的に遮ることで、直射日光の入りにくい快適な室内環境を実現しました。
廻廂の家
an Archi-Lab. 一級建築士事務所
共働きの夫婦と子どもたちが暮らすための都市型住宅です。限られた敷地に5つの個室や豊富な収納、ガレージ、エレベーターなど高い機能性を求めながらも、建物を巧みに削り取ることで生まれた余白を住環境の質へと転換しました。敷地全体を覆う大きな庇の下には前庭や通路、駐輪スペースを配置し、3層吹抜けの階段室が光と風を導きます。高密度なプログラムと開放感を両立させ、都市住宅に新たな豊かさを提案する住まいです。
都幾川縁りのハイブリッドハウス
H₂O設計室
都心から約50km圏、埼玉県北西部を流れる都幾川渓流沿いの約220坪の敷地に建つ、鉄・木・ガラスによるハイブリッド構造のガラスハウスです。秩父山系を望み、清流とともに四季の移ろいを享受できる環境に開かれています。2階の居住空間は回遊動線とし、一体的な温熱環境と豊かな採光を優先する計画です。外壁に開口を持たない代わりに、張り出し床の水平ルーバーと重力換気を組み合わせ、トップサイドの強制排気へとつなぐ環境制御システムを備えています。
片岡山の家|段丘に架けた大きな屋根の下で暮らす。
株式会社 山本嘉寛建築設計事務所
大和川の河川敷に続く段丘上に計画された住宅で、上段から王寺・三郷の街並みや信貴山から生駒山の山並みを一望できます。敷地は中央から約3m下がり擁壁経由でさらに約4.5m下がる地形で、下段に土留め・高基礎を兼ねて寝室・クローゼットを配し上段に水平面を確保してキッチン・階段・水廻りを分散配置しています。大きな切妻屋根は側面スリットで通風・採光を取り入れ、軒下の回遊性の高い空間を生活の中心に据え、駐車場からのアプローチを可能にしています。素材感や彩度を抑え、線の少ない仕上げとしています。
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