小島光晴建築設計事務所
ガラス張りの家|設計事務所による注文住宅実例12選|光と透明性が生む豊かさ
著者:クラスキ編集部
ガラス張りの住まいは、内と外の境界を曖昧にしながら光と景色を豊かに取り込む、開放的な建築表現のひとつです。一方で、大きなガラス面は断熱性能やプライバシー、夏季の日射遮蔽といった課題とも向き合う必要があります。設計事務所はガラスの種類や性能の選定から、庇や格子による日射コントロール、隣地や道路との関係を踏まえた開口の方向性まで、総合的に検討しながら「透明性と快適性の両立」を図ります。自然光が刻々と表情を変える中で、光の移ろいを暮らしに取り込む住まいを紹介します。
ことのは
小島光晴建築設計事務所
豊かな木々に囲まれた敷地に建つ、自然と寄り添うことをテーマにした住まいです。舞い降りた葉が重なり合う情景になぞらえ、4枚の屋根を寄せ集め、その下に家族の暮らしの場を広げました。屋根は空間をやさしく包み込みながら、壁や屋根の隙間を通して木々や空、大地といった周囲の自然へ視線や意識を導きます。光や風の移ろいを日常の中に取り込み、季節や時間の変化を感じながら過ごせる設えとすることで、家族と自然が穏やかにつながる豊かな住環境を実現しています。
Villa SSK
株式会社 廣部剛司建築研究所
南房総の海と岩山に挟まれた敷地で、海と山を高さ方向につなぐ住まいを計画しました。大きなアーチ状の木造立体トラスとLVL壁によるトンネル状の架構が、海と空、岩山を感じる伸びやかな空間を生み出します。中庭は愛犬の遊び場であり、LDKと連続する「外のリビング」、水盤としても機能します。海側に張り出した水盤は、浴室やリビングから海面とつながって見えるよう設えました。ゲストルームやガレージも備え、豊かな風景と暮らしを結びます。
水平窓と段床の家
archialpha
美術サークルの友人とその家族の住宅で、住宅地と市街化調整区域との境に位置する開けた敷地を選び、葛城山の眺めと日常の関係を考えました。水平窓に対して床の高さを変え、場所や身体の状態ごとに切り取る景色を変化させます。キッチンは山裾や町並み、ダイニングは山全体と田んぼ、キャットウォークは畑作業や駐車場、ソファは山と空のみが見え、立ち座りで景色が急速に切り替わることで独特の感覚が生まれます。コルビュジェのガルシュの家や円通寺の借景との類似にも言及しています。
雪国の増築
佐藤宏尚建築デザイン株式会社
雪国に建つ既存の母屋に、家族が集うダイニングと2つのベッドルームを増築した住まいです。増築部分は既存の屋根勾配をそのまま延長することで、母屋との連続性を保ち、落ち着いた佇まいに仕上げています。無垢のスチール柱による大開口は全面開放が可能で、季節や暮らしに応じた柔軟な使い方を実現。トップライトとミラーが光を室内へ広げ、雪国の住まいに明るさと開放感をもたらしています。
ssrh
「ha」hosaka hironobu architect associate
巨大なカーテンウォールが、1.5層の吹抜けリビングに圧倒的な開放感をもたらす住まいです。吹抜けに隣接するロフトはガラスの壁で構成され、外部へ開かれた大開口と呼応することで、空間にさらなる広がりと透明感を生み出しています。豊かな自然光が住まい全体を包み込み、時間とともに表情を変化させるのも魅力のひとつ。アクセントとなる個性的なフローリングが空間を引き締め、洗練されたインテリアを印象づけています。
SAKURAの家
井上久実設計室
借景の桜を楽しむことをテーマに計画された住まいです。主な生活空間を2階に配置し、リビングを覆うルーバーによって外部からの視線を抑えながら、桜の景色を美しく切り取っています。ルーバーの角度は桜が最も映えるよう調整されており、日射も効果的に遮ることで、直射日光の入りにくい快適な室内環境を実現しました。
片岡山の家|段丘に架けた大きな屋根の下で暮らす。
株式会社 山本嘉寛建築設計事務所
大和川の河川敷に続く段丘上に計画された住宅で、上段から王寺・三郷の街並みや信貴山から生駒山の山並みを一望できます。敷地は中央から約3m下がり擁壁経由でさらに約4.5m下がる地形で、下段に土留め・高基礎を兼ねて寝室・クローゼットを配し上段に水平面を確保してキッチン・階段・水廻りを分散配置しています。大きな切妻屋根は側面スリットで通風・採光を取り入れ、軒下の回遊性の高い空間を生活の中心に据え、駐車場からのアプローチを可能にしています。素材感や彩度を抑え、線の少ない仕上げとしています。
廻廂の家
an Archi-Lab. 一級建築士事務所
共働きの夫婦と子どもたちが暮らすための都市型住宅です。限られた敷地に5つの個室や豊富な収納、ガレージ、エレベーターなど高い機能性を求めながらも、建物を巧みに削り取ることで生まれた余白を住環境の質へと転換しました。敷地全体を覆う大きな庇の下には前庭や通路、駐輪スペースを配置し、3層吹抜けの階段室が光と風を導きます。高密度なプログラムと開放感を両立させ、都市住宅に新たな豊かさを提案する住まいです。
陶芸家の家
根岸達己建築室
富士山麓の森に隣接する敷地に計画された、4人家族のための住まいです。陶芸家のご主人とイラストレーターの奥様の創作拠点でもあり、森の風景を暮らしに取り込むことがテーマとなっています。リビングは森へ大きく開いた吹抜け空間とし、黒い土間が外部のスコリアと呼応しながら内外の境界を曖昧にしています。建物は高さを抑え、森に静かに寄り添うように佇んでいます。
lani
*studioLOOP建築設計事務所
車4台分のガレージと、夏はプール、冬は水盤として使える水景を内包した住まいです。居住空間を大地から切り離し、下階は四隅に柱や壁のないピロティ形式の駐車スペースとしています。閉じた外観の1階から上階へ上がると、水面がアイレベルに広がります。白で統一した2階には水盤を囲むように居室を配し、反射光が室内の天井に揺らめきを描きます。ガラス張りの中庭では、空と水、反射による幾つもの水盤が重なります。
都幾川縁りのハイブリッドハウス
H₂O設計室
都心から約50km圏、埼玉県北西部を流れる都幾川渓流沿いの約220坪の敷地に建つ、鉄・木・ガラスによるハイブリッド構造のガラスハウスです。秩父山系を望み、清流とともに四季の移ろいを享受できる環境に開かれています。2階の居住空間は回遊動線とし、一体的な温熱環境と豊かな採光を優先する計画です。外壁に開口を持たない代わりに、張り出し床の水平ルーバーと重力換気を組み合わせ、トップサイドの強制排気へとつなぐ環境制御システムを備えています。
東雪谷の家
株式会社 中村高淑建築設計事務所
呑川沿いの約9坪の敷地に建つ、地下を含む4層・延床21坪の狭小住宅です。両親が暮らした土地への思いを受け継ぎ、狭さを楽しむ住まいを目指しました。厳しい斜線制限には、機能ごとに分節したスキップフロアで対応しています。レベル差と螺旋階段が空間に豊かな変化を与え、独特の屋根形状が印象的な、静謐で凛とした佇まいをつくり出しています。
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