設計事務所アーキプレイス
茶室のある家|実例の紹介|伝統的な様式美と現代の暮らしが融和する
著者:クラスキ編集部
住まいに茶室を設ける際は、亭主と客人の所作や動きを考慮しながら、使いやすい動線を計画することが重要です。炉壇の設置では、床下の梁や設備配管との関係を考慮しながら適切な位置を計画する必要があります。伝統的な四畳半や小間の空間では、天井の高さをあえて低く抑えることで、落ち着きのある包まれ感と茶の湯に向き合いやすい落ち着いた空間を生み出します。さらに、茶道具の準備や洗浄を行うための水屋や収納スペースを適切に計画することで、現代住宅としての高い機能性を保ちながら、本格的なお茶の時間を楽しむことができます。
数寄の美意識を現代に受け継ぐ、茶室のある家の外観
茶室のある家 |外観
茶室のある家の外観は、伝統的な数寄屋の要素を現代的な建築デザインへ落とし込むことで、洗練された表情が生まれます。外壁に杉のへぎ板や土壁風の左官仕上げを採用することで、味わい深い素材感を表現できます。茶室へと導く露地や腰掛待合、茶室らしい繊細な開口部の意匠が外観に趣を与えます。道路側からの視線を適度に遮る和の格子を設置すれば、室内のプライバシーに配慮しながら、住宅街の中でも落ち着いた佇まいの外観が完成します。
畳の配置や床窓からの光で陰影を美しく演出する、本格的な茶室として機能する和室
茶室のある家 |和室
茶室としての機能を持つ和室を設計する場合、畳の敷き方にも伝統的な考え方があります。茶室の広さや点前座、炉の位置に応じて畳割りが決められます。また、空間の主役となる床の間には、掛け軸や花が最も美しく引き立つよう、床の間まわりの採光を工夫することが効果的です。天井には竹や葦などの自然素材をあしらい、光源が直接見えにくい照明計画とすることで、畳の上に美しい陰影が生まれ、落ち着いてお茶と向き合える和室になります。
引き込み戸の開閉でリビングと緩やかにつながる、可変性を持たせた茶室のあるLDK
茶室のある家 |LDK
現代のLDKの一角に茶室を配置する設計では、空間の独立性とリビングとのつながりのバランスを考慮します。床の高さをリビングより一段高くした「小上がり」の形式にすることで、下部を収納として活用することもでき、茶室らしい独立感を演出できます。LDKとの間仕切りには、光を柔らかく通す障子や太鼓張り襖を採用し、壁の中にすっきりと収まる引き込み戸にすることで、普段は開け放して開放的な大空間として使用できます。必要に応じて建具を閉じることで、日常の賑やかさから切り離された、落ち着いた茶室として利用できます。
飛石やつくばいで客人を迎える露地を計画する、室内からの景色と一体を成す茶室のある庭
茶室のある家 |庭
茶室に付随する庭は「露地」と呼ばれ、客人が日常の雑踏を離れて茶室へと向かうための大切な通り道です。設計では、歩きやすさを考慮した「飛石」の配置や、手を清めるための「つくばい」の設置場所を、茶室の間取りと連動させて計画します。植栽には、アオダモやモミジといった四季を感じられる落葉樹や、足元を彩る苔を採用することで、静寂を感じられる風情を作り出します。茶室の窓から庭を眺めたときに、額縁に入った絵画のように美しく見えるよう、景石や植栽の配置を丁寧に計画します。
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