設計事務所アーキプレイス
和モダンな家|設計事務所による注文住宅9選|日本の美と現代の暮らしが交わる住まい
著者:クラスキ編集部
和モダンとは、日本の伝統的な建築や意匠が持つ美意識、間の感覚、素材の質感、光と影の対比を現代的な空間設計と融合させたスタイルです。漆喰や木・石・和紙といった自然素材を現代的な構法で用いること、格子や引き戸などの和の建具を現代的な空間に取り込むこと、水平ラインと低い目線が生む落ち着きのある空間構成など、その表現は多岐にわたります。設計事務所は「和」を表面的な装飾として扱うのではなく、空間の本質から丁寧に設計することで、時代を超えて美しく、日本の風土に根付いた住まいを実現します。静かな豊かさを宿す和モダンの事例をご紹介します。
甲子園の家
Abax Architects
街の記憶を宿す石垣をそのまま残し、鉄筋コンクリート造で構成した住宅です。ふたつの小さな中庭を介して光と風を巧みに取り込みながら、外部からの視線を遮り高いプライバシーを確保しています。柔らかな質感の素材を用いることで、堅牢な構造の中にも穏やかで優しい空間で構成された住まいです。
小高の母屋
株式会社 SPAZIO建築設計事務所
小高の改修は、「離れ」「母屋」「広場」からなる段階的なリノベーション計画です。2016年に「離れ」を住居として再生し帰還の拠点を整備、その後、親族の交流を担う「母屋」と「広場」を改修し、2019年に完成しました。「離れ」は現代的に一新する一方、「母屋」は囲炉裏や客間を保存し、煤竹や古材を再活用することで、歴史と記憶を継承しています。
浄明寺リノベ
佐賀高橋設計室
築60年の木造平屋をリノベーションした住まいです。既存の平面に斜めの木の壁を作り、一部を勾配天井とすることで空間にリズムを与えています。猫間障子からやわらかな光が差し込み、グレーの壁は黒板としても機能します。壁には愛猫のための小さな通路を設け、家具的なキッチンと業務用キッチンを組み合わせるなど、細やかな工夫が随所に散りばめられた住まいです。
囲炉裏のある趣味満載の家
設計事務所アーキプレイス
南北に長い段差のある変形敷地に建つ、ご夫婦の趣味を生かした終の棲家です。高度斜線に応えるよう3つのボリュームを連ね、端正な勾配屋根が印象的な外観を形づくっています。内部は掘り炬燵の囲炉裏を備えた和室を中心に、吹抜けやスキップフロアによって諸室やバルコニーが緩やかにつながる構成です。耐震等級3とHEAT20 G2レベルの高断熱・高気密性能を備え、開放感と快適性を両立。趣味を楽しみながら、これからの暮らしを豊かに育む住まいとなっています。
東浦の家
後藤耕太建築工房
知多半島の昔ながらの住宅街に建つ住まいです。地域とのつながりを大切にしながら、掘りごたつのある暮らしを望んだ施主の想いをかたちにしました。リビングの床を一部高くして掘りごたつを設け、南側からの視線と室内からの視線をずらすことで、開放感とプライバシーを両立しています。杉の無垢材を多用した空間は、時を重ねるほどに味わいを深めます。周囲の街並みに穏やかに馴染み、地域の風景とともに育っていく住まいです。
House K/S
吉原環建築設計
三世代にわたって受け継がれてきた大家族住宅のリノベーションです。世代交代による暮らし方の変化に対応しながら、家族の記憶や愛着を継承し続ける“第二のリビング”として再構築されています。既存の意匠を残しつつ、真鍮や障子などの要素で新旧を緩やかに接続し、自由度の高い可変的な空間へと再編しています。ハレとケの境界を溶かしながら、家族の新たな時間が積み重なる住まいとなっています。
八王子の家
内田雄介設計室
高尾の山並みを望む八王子の高台に建つ、3人家族のための住まいです。穏やかな風景が残る土地の魅力を活かし、周辺環境と調和しながら落ち着いた佇まいを生み出すことを目指しました。平屋と二階建てのボリュームを組み合わせた伸びやかな構成により、1階中心の暮らしを実現。中庭や軒下、深い庇や出窓が内と外を緩やかにつなぎ、木々や植栽に包まれた豊かな住環境を創出しています。まるで雑木林の中で暮らすような、穏やかな時間が流れる住まいです。
緑地に佇む音楽小屋
充総合計画一級建築士事務所
音楽を愛する人のために計画された、小さな演奏空間を備えたサテライトの小屋です。建物の約3分の2を吹き抜けの傾斜天井とすることで、高さを抑えながらも伸びやかな空間を実現しました。周囲の環境に穏やかに佇む屋根形状は、そのまま室内の音響設計にも活かされています。グランドピアノやさまざまな楽器、声楽の響きが心地よく拡散し、ソロからアンサンブルまで豊かな音に包まれる空間です。建築と音楽が静かに共鳴する、上質な小さな音楽堂となっています。
大きな屋根に守られて
芦田成人建築設計事務所
三方を水路に囲まれた敷地に建つ、水辺の環境と向き合いながら計画された住まいです。水害への備えとして1階の床を地面から高く持ち上げ、大きな一枚屋根への憧れをかたちにした伸びやかな外観を実現しました。内部では、丸柱を中心にリビングとダイニングをゆるやかに分節し、家族が心地よく過ごせる居場所を創出しています。吹抜けを介して上下階がつながり、光や気配が行き交う、安心感と開放感を兼ね備えた住まいです。
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