スケルトン階段のある家|設計事務所による注文住宅実例10選 著者:クラスキ編集部
階段は住まいの中で大きな面積を占めるものではありませんが、そのデザインによって空間の印象は大きく変わります。スケルトン階段のある家では、踏板の間や階段下に視線が抜けることで、室内に軽やかさや広がりが生まれます。壁で囲われた階段とは異なり、光や風が通りやすくなるため、リビングや吹き抜けと一体となった空間づくりにも用いられています。また、金属や木などの素材によって表情が変わり、住まいのデザインを象徴する存在になることもあります。機能としての階段でありながら、空間を仕切るのではなく、むしろつなぐ役割を担う点も特徴です。設計事務所による注文住宅では、スケルトン階段がどのように住まい全体と関係しながら空間の魅力を高めているのか、その実例を紹介します。
nest 柏市の中庭のある家 e do design 一級建築士事務所
都内から奥様のご実家近くへ移住したご夫妻のための、終の棲家となる住まいです。プライバシーを守りながら自然を感じられる中庭を中心に、採光や通風、耐震性、断熱性などの性能を丁寧に計画。中庭はLDKや動物たちの居場所とつながり、四季の移ろいや家族の時間を豊かに受け止めます。インコやフクロウとの暮らし、将来の在宅ワークにも寄り添う、安心と快適さに包まれた「nest(巣)」のような住まいです。
YAMANARI 〜山の稜線を取り込む家〜 YIA イシウエヨシヒロ建築設計事務所
徳島の豊かな山並みに抱かれる、すだち農家の若夫婦のための住まいです。高台という立地を活かし、2階リビングや畳コーナーから雄大な緑を望む開放的な空間を計画しました。母屋との関係には、大きな土間や吹抜けを介して緩やかなつながりを持たせながら、視線を適度にコントロールすることで心地よい距離感を実現しています。ラワン合板や無垢のアカシア材など自然素材を用いたインテリアが周囲の風景と呼応し、四季の移ろいを身近に感じられる住まいとなっています。
The Sunken Retreat 株式会社 ファーイースト・デザイン・ラボ
都心の閑静な住宅街に建つ住宅です。敷地は高低差約5mの傾斜地で、周囲を建物に囲まれた厳しい条件の中、地下を含む3層構成として住空間の面積を確保しました。スキップフロアで連続する居室と高さ約10mの階段吹き抜けを設け、トップライトからの光が地下まで届く計画としています。最上階は庭や屋上とつながる開放的な空間とし、地下の落ち着いた雰囲気との対比により、自然の渓谷のような立体的な住まいを実現しています。
帝塚山東の家 Abax Architects
間口5.2m、奥行24.7mの細長い敷地に建つ、鉄骨3階建ての都市型住宅です。南側に広がる老健施設の庭の植栽を借景として取り込み、都市の中にありながら豊かな緑の気配を感じられる計画としています。建物中央には中庭と階段室を配置し、各室へ光と風を導く構成としました。中庭には竹を植え、雨の日には水が薄く溜まり水盤となって、静かな風景をつくり出します。都市の密度の中に、自然の気配を繊細に取り込んだ住まいです。
コンパクトで暮らしやすい自分サイズの住まい|千葉・星久喜の住まい タイラヤスヒロ建築設計事務所
延床面積22坪というコンパクトな住まいながら、中央に配した階段室と視線の抜けを活かした間取りにより、数字以上の広がりを感じさせる一邸です。玄関から望む桧の無垢板によるスケルトン階段が空間の象徴となり、印象的なアクセントを添えています。既製品を巧みに活用しながらコストを抑え、収納や快適性も充実。大きく軒を出した切妻屋根と端正なプロポーションが、穏やかで落ち着いた佇まいを生み出しています。UA値0.48を実現し、高い断熱性能も備えています。
白金の家 株式会社 中村高淑建築設計事務所
白金の閑静な住宅地に建つ、東京の眺望を暮らしに取り込んだ住まいです。高低差のある敷地を活かし、3階には東京タワーや六本木ヒルズ、周囲の緑を望む眺望デッキを設置。2階のLDKにはL型の出窓やたたみコーナーを設け、吹抜けとスケルトン階段によって光と視線が上下階をつなぎます。限られた敷地の中に、都心ならではの眺望と開放感を巧みに取り込んだ住まいです。
越谷の家 望月建築アトリエ
敷地は駅近の二方向道路の角地で、道路からの見え方とプライバシーを考慮して設計しています。周辺環境を取込むのではなく、敷地内で余白となる中庭を設け光・風・緑を取り込む計画としています。1階に個室・収納・水回り、2階にリビング・ダイニング・キッチンを配し、天井の構造垂木を表しにして屋根を覆っています。中庭にはシマトネリコを植え、住まい手のインテリアやホームシアターと共に各居室が中庭を介して繋がる構成としています。
光と風のリノベーション住宅|コンパクトで、明るく開放的 株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所
光と風を住まい全体に巡らせることをテーマにしたリノベーションです。トップライトから取り込んだ光を吹き抜けやスケルトン階段を通して1階まで届け、明るく開放的な空間を実現しました。既存の天井を一部撤去して梁を現し、伸びやかなリビングへと再構成。さらに、生活スタイルに合わせた造作収納や家具を丁寧に計画することで、限られた空間の使い勝手を高めています。快適性と機能性を兼ね備えた、暮らしに寄り添う住まいです。
阿倍野の住宅 一級建築士事務所 Coo Planning
大阪市阿倍野区の狭小地に建つ木造3階建て住宅です。間口3mという厳しい条件の中、限られた予算で家族4人が快適に暮らせる空間を追求しました。中央にキッチンとダイニングを据え、動線と空間の効率化を図り、採光を考慮して3階にLDKを配置。水回りを2階にまとめることで全体のバランスを整え、都心における豊かな住まいを実現しています。
Steps V 佐藤宏尚建築デザイン株式会社
木造2階建てでありながら、5層の床によって空間を緩やかにつないだ住まいです。吹き抜けやロフト、床下収納、テラスなどを高低差の中に組み込み、限られたボリュームに豊かな広がりと機能性を生み出しています。1階から屋上までを連続させることで、家族の気配や声が自然に届く一体感のある暮らしを実現。外壁には焼杉を用い、蓄熱式床暖房によって快適性と省エネ性も両立しています。