望月建築アトリエ
土間のある家|設計事務所による注文住宅実例18選|内と外をつなぐ暮らしの場
著者:クラスキ編集部
かつての日本の民家に広く見られた土間は、現代の住まいの中でも多様な使い方で見直されています。屋外と室内の中間領域として機能する土間は、アウトドア用品の収納や自転車・バイクの保管、農作業や工作の場、子どもの遊び場、来客を迎える半外部の応接スペースなど、暮らしのスタイルによってその役割は幅広く広がります。素足のまま使える内部との接続、掃除のしやすい床仕上げ、採光と通風の確保など、使い勝手と心地よさを両立する設計が重要です。土間の使い方と生活動線を整理しながら、現代の暮らしに馴染む土間空間を紹介します。
陸前高田の住まい
ARCHIXXX眞野サトル建築デザイン室
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市で、文房具店を併設した住まいを再建する計画です。現地の気候や風土、地域の慣習を丁寧に読み解き、少しでもかつての風景を取り戻しながら、家族が安心して暮らせる住まいを目指しました。将来は定年後に趣味を生かした雑貨店を営むことも見据え、大きな土間や特徴的な曲がり屋根を設けています。過去の記憶を受け継ぎ、これからの暮らしを育む住まいです。
Park Street House
吉デザイン設計事務所
都市の中心部、公園のすぐ隣に建つこの住宅は、三角形の平面構成により独自の空間を生み出しています。外部からの視線をやわらかく遮りつつ、開放的な空間を確保しています。レンタルスペースを併設し、プライバシーの確保と外部への開放を両立しています。内部はコンパクトで機能を効率良く配置し、無駄のない動線で空間をつないでいます。
around
*studioLOOP建築設計事務所
ご夫婦と3人の息子さん、愛犬が暮らす、家族それぞれの活動が緩やかにつながる住まいです。玄関や水回り、納戸などを東西に配置することで周囲の喧騒を遮り、南北に風が抜ける開放的なLDKを実現。リビングとダイニングキッチンは床の高さを変え、異なる居場所をつくりながら一体感を保っています。書斎や土間、将来3室に分けられる子ども室など、多様な暮らしに応える細やかな設えと、木を生かした丁寧なディテールが印象的な住まいです。
大きな土間床のある暮らし|西山の住まい
タイラヤスヒロ建築設計事務所
のどかな田園風景に寄り添うこの住まいは、古民家に見られる土間を現代の暮らしへと再解釈した一邸です。玄関からキッチン、ダイニングへとフラットにつながる土間が、内と外の境界を曖昧にしながら空間を緩やかに結びます。廊下を設けず、土間・ダイニング・リビングを回遊性の高い構成とすることで、シンプルで合理的な暮らしを実現。構造材には新潟県産の越後杉を用い、地域資源を活かした地産地消の家づくりが、豊かな風景とともに息づいています。
上水沿いの家
ことこと設計室
玉川上水の豊かな緑に寄り添う、職住一体の小さな住まいです。人通りの多い緑道からの視線を遮りながらも、自然とのつながりを感じられる空間を目指しました。天井の高いワンルームに高低差のある3つの床を設け、スキップフロアによって仕事と暮らしの場を緩やかに分節。内庭を介して視線をコントロールしながら、上水沿いの緑へと視界を開いています。延床45㎡というコンパクトな規模の中で、広がりと居心地を両立した新たな可能性を示す住まいです。
希望の家
多田建築設計事務所
築50年の住宅を改修し、一人の時間を豊かに過ごすためのプライベートハウスとして再生した住まいです。トップライトから降り注ぐ光を活かし、1階は土間を基調としたワンルーム空間に。居間やワークスペース、キッチン、バスルームが緩やかにつながり、奥行きのある開放的な構成となっています。2階にはダンススタジオのようなトレーニングスペースを設け、日常的に身体を動かせる工夫を随所に採用。自分らしい時間を楽しみながら、心身を整えるための静かな隠れ家です。
黒箱-渋谷H
株式会社 廣部剛司建築研究所
都心の住宅街に建つこの住まいは、黒い外皮の内側に柔らかな暮らしを包み込むことをテーマに設計されました。大らかな中庭を中心に内と外を緩やかにつなぎ、木の架構を現しとした温かみのある空間を形成。玄関から中庭へと続く路地や、ステンドグラス越しのやわらかな光が、街の喧騒から住まいへと気持ちを切り替える役割を担います。吹抜け越しに広がる中庭と光が、都市の中で自然と共に暮らす豊かな時間を育む住まいです。
京都伏見の住まい
木村哲矢建築計画事務所
京都伏見の川辺に建つ、1階をワークスペース、2階を住居とした住まいです。酒蔵の街並みに呼応して外壁には黒い焼杉を用い、内外ともに素材の質感をありのままに表現しています。粗いベニヤの壁・天井や、コンクリートをそのまま生かした土間など、構造と仕上げの境界を曖昧にした素朴な空間が特徴です。職人の丁寧な手仕事が、素材そのものの魅力を引き立てています。
池田の家
若林秀典建築設計事務所
大阪府池田市の桜並木に囲まれた閑静な住宅地に建つ完全分離型二世帯住宅です。LDKからなる1階のボリュームを通り庭を挟んで独立配置し、その上に2階ボリュームを架け渡しました。軒下のトンネル状空間は駐車スペースで、車を動かせば両世帯の共有テラスとなりBBQや子供の遊び場として使われます。2階は主に寝室で構成され、中心のファミリールームが唯一の内部動線となり、将来は2室に分割して子供部屋にする計画です。
SOMMELIER FLAT
kurachiffon 瀧内未来一級建築士事務所
築33年・102㎡の庭付きマンションを、家族の暮らしに合わせて再編集したリノベーションです。風と光が通り抜ける開放的な間取りへと再構成し、斜めに設えたリビングドアが庭の緑へと視線を導きます。住まいの中心となるキッチンカウンターには、家事や仕事、子どもの成長を支える工夫を集約。収納や動線を丁寧に整え、忙しい毎日を心地よく支える住まいを実現しました。
賃貸長屋に光を導くリノベーション|昭和小路の長屋Ⅱ
株式会社 山本嘉寛建築設計事務所
京都市東山区の戦前建てられた長屋の第二期改修工事。前入居者の内外装を剥がし、DIY増築された部屋を減築して庭を復元しました。薄暗かった二間の和室を杉板張りの大きな居間に転換してファミリー向け住居へ再生しました。東西の開口や階段上部からの光が白く仕上げた壁・天井で拡散し、室内は明るい雰囲気で満たされています。土壁は中塗りに留め、新設の合板や床板は素地のまま、柱梁や木製建具、階段は美装・補修の上で再利用しました。
ぞうのいえ
小島光晴建築設計事務所
内と外に大小さまざまな居場所と庭をちりばめた住まいです。季節や気分に合わせて心地よい場所を選びながら過ごせる一方で、家族の気配を緩やかに感じられる空間構成としています。視線や音、香りを通して自然につながり、近づいたり離れたりできる距離感が、この家の豊かさを生み出しています。モバイル化によって暮らしの場所が自由になった現代だからこそ、自分らしく過ごしながら家族や風景の存在を感じられる環境を追求。おおらかな空間は、娘さんが名付けた「ぞうのいえ」の愛称にふさわしい住まいとなっています。
ELL 〜美術館のように 白い空間が飾る平家〜
YIA イシウエヨシヒロ建築設計事務所
愛媛県西条市の豊かな自然環境に建つ、天井高3,950mmの平屋住宅です。当初は2階建てを希望していた施主に対し、吹抜けのような開放感を持つ平屋を提案。高い天井と南側からの採光、高窓による通風計画によって、伸びやかで心地よい住空間を実現しました。大屋根に包まれたアプローチの先には、中庭を望む玄関や自転車を飾るスペースを配置。濡れ縁が内外を緩やかにつなぎ、暮らしに豊かな広がりをもたらしています。高さが生み出すゆとりを丁寧に形にした住まいです。
斜格子の家
an Archi-Lab. 一級建築士事務所
代々受け継がれてきた土地に建つ、子育て世代のための建替え住宅です。周囲を建物や塀に囲まれた密集地という厳しい条件に対し、建物を敷地に対して斜めに配置することで、多方向から光と風を取り込みました。生まれた余白は周囲との適度な距離感をつくり、地域コミュニティとの緩やかなつながりも育みます。内部では視線や動線を巧みに操作し、外部からの視線を意識させない落ち着いた居住環境を実現。新旧の暮らしが交差する土地に、懐かしさと新しさが共存する住まいです。
Interplay of...
佐賀高橋設計室
川沿いに建つこの住宅は、外部の景色を積極的に取り込みながら、内と外の連続性を丁寧に設計しています。玄関を入ると螺旋階段を備えた大きな土間空間が広がり、木製建具を開放すると造作ベンチを設えた外土間へとつながり、さらに空間の広がりを感じられます。2階のLDKにはトップライトから柔らかな光が注ぎ込み、各室からは川の風景を楽しめる住まいです。
T字路の家
株式会社 富谷洋介建築設計
長く住み継がれた二棟の住宅を建て替えた二世帯住宅です。T字路の先という敷地条件を生かし、道路上空へ視線が抜ける開口計画によって、都市部にありながら開放感のある住環境を実現しました。曲面壁の先に設けた大きな窓が街並みや空を取り込み、L字型の建物配置が各室へやわらかな光を届けます。犬との暮らしに配慮した動線や、家族が集う2階LDKの造作ベンチを備え、世代を超えて豊かな時間を育む住まいです。
下鴨の家
越前良太デザイン研究所
京都・下鴨の歴史ある街並みに寄り添い、日本建築が持つ曖昧さや可変性を現代的に再解釈した住まいです。軒や通り土間、濡れ縁などを通して内と外を緩やかにつなぎ、光や風、季節の移ろいを暮らしへ取り込みました。用途を限定しない余白のある空間構成により、住まい手の成長や時間の変化に柔軟に応答。住宅を完成された器ではなく、人と環境、そして暮らしの関係性を育み続ける「場」として設計した住まいです。
富津の家
ユウ建築設計室
富津の海を望む丘の上に建つ、延床約22坪のコンパクトな住まいです。室内は間仕切りを極力なくしたワンルームのような構成とし、限られた面積の中にのびやかな開放感を生み出しました。LDKからは東京湾の雄大な景色を一望し、浴室からは富士山を望む贅沢な眺望が広がります。玄関と一体につながる土間キッチンは、庭へと直接アクセスできる軽やかな動線を実現。海と空、風景と暮らしが緩やかにつながる、豊かな時間を楽しむための小さな住まいです。
-
2階リビングの家|メリットとデメリット|開放感を高める間取り2026-01-27|クラスキ編集部 -
アウトドアリビングのある家|設計事務所による注文住宅実例|内と外が溶け合う、もうひとつのリビング2026-05-13|クラスキ編集部 -
猫と暮らす家|設計事務所の紹介|猫の気ままな暮らしを支える家2026-05-11|クラスキ編集部 -
二世帯住宅|メリットとデメリット|適切な距離感を保つデザイン2026-01-27|クラスキ編集部 -
二世帯住宅|設計事務所による注文住宅実例|二つの家族が豊かに共存する住まい2026-05-11|クラスキ編集部 -
コンパクトハウス|設計事務所の紹介|小さくても豊かに暮らす2026-05-11|クラスキ編集部